スウェーデン最大の科学センター「Tom Tits Experiment」で触れて、動いて、学ぶ!

スウェーデンのストックホルム郊外、セーデルテリエにある「Tom Tits Experiment(トム ティッツ エクスペリメント)」は、スウェーデン最大の科学センターです。ストックホルムから電車で約1時間の距離にあり、年間何十万人もの訪問者が訪れる人気のスポットで「ヨーロッパで最もエキサイティングな博物館の 1 つ」としてヨーロッパ博物館フォーラムのミケレッティ賞を受賞したことも。親子連れやスウェーデンの小学校の遠足先としても非常に人気があります。

2023年、2024年とグローバル・イノベーション・インデックス (GII) で世界第2位となり、イノベーション先進国として知られるスウェーデン。その教育事情を探るヒントとしてTom Tits Experimentの魅力をSTEAM JAPAN編集部が現地で体験してきました!

スウェーデンでは子どもたちに大人気の場所

実験を通して学んでいく楽しさを体感

Tom Tits Experimentでは、テクノロジー、物理学、数学、生物学、地理学、さらには人体や脳についてなど、多岐にわたる分野の450以上の実験が大規模な施設に用意されています。すべての展示が「見るだけ」でなく、実際に自分の手や体を使って試せる構造になっており、まるで自分が実験しながら発見を積み重ね楽しんでいくような感覚で学ぶことができます。

全4階建ての広々とした科学センター

実際に、Tom Tits Experimentは「実験を通して学ぶこと」が重視されており、基本的な科学の仕組みを来場者、とくに子どもたちにも分かりやすく伝えることを大切にしています。子どもたちが楽しそうに実験している姿から、子どもたちが科学への興味を持ち続けるきっかけを提供する場として、大きな役割を果たしていると感じました。施設内には、イノベーションの種を育むようなワクワクする仕掛けが至るところに散りばめられており、訪れる人々を楽しませながら自然と学びへと導いてくれる工夫が随所に見られました。

科学のワクワクが詰まった実験の数々

Tom Tits Experimentを見てまわると、さまざまな実験コーナーがあります。例えば、パワープラントの展示は、巨大な実験装置は天井に届くほどのスケールで、ボールを落とす速度を調整しながらエネルギーの流れやシステムの仕組みを体験的に学べます。自分の動きが結果に直結するため、まるでゲーム感覚で科学を学ぶことができる仕掛けになっています。

また、水の力を体験する展示では、水の流れがどのようにエネルギーを生み出すかを実際に触れて学ぶことができました。さらに、水の種類による浮力の違いや、植物の成長環境を観察する展示もあり、子どもだけでなく大人であってもワクワクしてしまいそうな内容が詰まっています。

それぞれの展示は、視覚的にも創造性を刺激する工夫がされており、階段を登ったところで目を引いたのが、なんと通常の2倍の大きさの巨大テーブルと椅子を使ったチェスボード。これは2歳や3歳の子どもが通常サイズの家具を見たときの視点を体験できるようにデザインされていて、大人が子ども視点を体験できるような工夫がされているそうです。

視覚的にも目を惹くような展示がたくさん!

イノベーション先進国として知られるスウェーデン。「Tom Tits Experiment」は、科学や創造性を楽しみながら学べる体験型の場として、スウェーデンの教育の特徴やその背景にある価値観を垣間見ることができる貴重な場所であると感じました。このような体験型の学びの場は、日本の科学館にも大きなヒントになるかもしれません。

Tom Tits Experiment基本情報

住所: Storgatan 33, 151 36 Södertälje, Sweden

営業時間:月曜日-日曜日 10AM – 5PM

関連サイト:https://www.visitstockholm.com/o/tom-tits-experiment/

*訪問の際は、必ず公式サイトで情報をご確認ください。

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参考:

Global Innovation Index 2024

https://www.wipo.int/web-publications/global-innovation-index-2024/en/index.html