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フィンランドの教育は世界的に高い評価を受けていますが、その背景には学校教育だけでなく、地域全体で学びを支える取り組みがあります。その象徴ともいえるのが、ヘルシンキ近郊に位置する科学センター「Heureka(ヘウレカ)」です。科学をテーマにした体験型展示やプログラムが数多く揃い、子どもから大人まで幅広い世代がワクワク楽しみながら学べる施設です。今回は、限られた滞在時間でしたが、多くの発見と驚きがありました。その魅力の一部をご紹介します!
※本記事は2024年11月訪問時の内容をもとに執筆しています。
科学をテーマとした多様な展示が魅力のHeureka。展示内容はどれも「見る」だけで終わらず、問いかけを通じて考え、実際に手を動かして体験し、その現象や仕組みを理解するという一連のプロセスが組み込まれています。中でも印象的だったのは、地球の自転を感じることができるこちらの展示。地球の自転を視覚的に体験できるものです。振り子が吊り下げられ、天井にボールジョイントで固定されている仕組みにより、振り子は地球や建物が回転しても同じ方向に揺れ続けます。

地球の自転を体験できる超巨大な振り子。展示を見ていると、Heurekaで働く白衣をきたスタッフの方がフレンドリーに解説し、見る人の好奇心をどんどん刺激してくれる。
他にも水の中で実験的にトルネードを作る展示や、音の仕組みを体感できる展示、触覚の不思議を探る展示など、五感を刺激する多様な体験が用意されています。


視覚的にも関心をひく展示が多数用意されている。

最新の科学技術を取り入れた展示が揃っている点も注目すべきポイントです。AIに関連する展示では、自分が科学者となり、AIロボットをトレーニングする体験や、スマートミラーを使用したディープフェイクを体験するような展示がありました。ゲーム感覚で楽しみながら、AIの仕組みや可能性、さらにはAIの課題についても考えさせられる内容となっています。



フィンランドらしい特徴として、環境を意識した展示も豊富に揃っていました。例えば、「修理を通じて地球を守る」という展示では、壊れた洗濯機やカメラ、靴のようなアイテムをどのように再利用可能にするかを考え、修理を成功させるたびに、自分がどれだけエネルギーを節約できたかが可視化される仕組みになっています。今回の現地訪問でフィンランドで出会った人々からは、リサイクルへの関心の高さや、楽しさなどを共有されることが何度かありましたが、このような体験が、楽しみながら社会課題への意識を自然に高めることへも貢献しているのかもしれません。

人の手で修理されるもの、特別なアイテムを使用して修正されるものなど、身の回りの物がどのように維持されるのか、それによってどのくらいエネルギーを守ることができるのかを体験していく
Heurekaは、「学ぶこと」そのものを楽しく魅力的にデザインする力が際立つ科学センターです。環境やAIといった現代の課題を取り上げながら、子どもの頃からその解決に向けた意識を育む取り組みは、日本のSTEAM教育においても参考になるものかもしれません。
■Heureka 基本情報
住所:Heureka, Finnish science center Tiedepuisto 1,01300 Vantaa (Tikkurila)
公式サイト:https://www.heureka.fi/
*訪問の際は、必ず公式サイトで情報をご確認ください。 日本国内での体験型施設にSTEAM教育の導入をご検討のご関係者はこちらへ