世界のSTEAM教育

2020.08.19

アメリカ・高校生が宇宙に挑む「CTE Mission: CubeSat」

これまでは政府主導で行われてきた宇宙開発。しかし今、宇宙開発は形を変えて成長しつつあります。米「スペースX」が民間企業初の有人宇宙船打ち上げに成功するなど民間企業の参入が増える中、投資家らは今後10〜20年のうちに宇宙産業が数兆ドル規模になると予想しています。

宇宙でのミッションが拡大し続ければ、キャリア機会も拡大します。そんな中アメリカ合衆国教育省は8月18日、STEM分野への学生の関心を高める取り組みの一環として「CTE Mission: CubeSat」を始動しました。これは、宇宙分野などのキャリアに必要な技術的スキル向上を目指したアメリカ全土の高校生のための大会です。高校生たちが行うのは、キューブ型の人工衛星「CubeSat」の試作品のデザインおよび制作です。

CubeSatとは

CubeSatは、主に大学の研究などで使われる10cm四方の小型人工衛星です。センサーやカメラなど様々な装置を入れることができ、野生動物の群れの追跡や大気データの収集など幅広い実験を軌道上で行えます。このCubeSatの試作品づくりは、比較的少ない負担で行うことができます。まず材料の選択肢が広く、3Dプリントや木材、プラスチックなど手に入りやすい物を使うことができます。また、打ち上げの方法として繋留気球やドローンなど様々な方法が使えます。さらに試作品の場合、軌道に突入する本物のCubeSatの場合には必要となるデザイン・試験の許可がなくても試験飛行を行うことができます。

大会について

このチャレンジを通じて、高校生たちが21世紀のキャリアに必要な創造性や協働性、技術的スキルを身に着けることが期待されています。

チャレンジは2つの段階に分かれています。第一段階は、ミッションデザインです。ここでは、オンラインリソースなどを活用しながらミッション計画の作成、飛行方法の検討を行い、提出します。審査ののち5チーム以内がファイナリストとして選ばれ、賞金25,000ドルと協賛するLEGOやXinaBoxなどのキットが贈られます。ファイナリストは、第二段階に進むことができます。第二段階では、メンターとともに実際に試作品を作り、検討した飛行方法を用いた飛行計画を立てます。実際に飛行を行ったのち、結果などの詳細をまとめた報告書を提出します。

参加するにはチームを作る必要がありますが、対面での協力作業やCubeSatに関する経験は求められません。

デボス教育長官は、「これは、成長する航空宇宙技術の分野のなかで教育について考え直し、生徒たちが体験を通した学びに関わる素晴らしい方法です。」「私は、生徒たちが生み出す革新的な試作品を見ることを楽しみにしていますし、このチャレンジが次世代の宇宙開発の担い手を鼓舞することを願っています。」と話しています。

今回の「CTE Mission: CubeSat」は、アメリカ教育省が実施している「Ed Prizes」の一環として行われます。Ed Prizesはキャリア教育・技術教育へのアクセスを増やし、能力を伸ばすための新たな製品やサービスを開発することを目的とした大会です。これまでにキャリア選択を助けるアプリ開発のチャレンジなど3つの大会が行われ、170万ドルの賞金が贈られてきました。

参照サイト

U.S. Department of Education: “U.S. Department of Education Launches Space Mission Challenge for High School Students”

CTE Mission: CubeSat 公式HP

(文:佐藤琴音)

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