インドでは、各地の学校にAtal Tinkering Laboratory(ATL)という場所が作られています。6〜12年生向けのラボであるATLが目指しているのは、子どもの好奇心や創造性、想像力を育み、デザイン思考や計算論的思考などを教えることです。
「Tinker」は、日本語では「いじくりまわす」という意味があります。ここでは、tinkringはある問題に対して革新的で創造的な解決方法を見つけること、新しいことをやってみる姿勢を育てることを意味しています。
その名の通り、ATLには生徒たちが自分のアイディアを形にするための設備が用意されています。センサーや3Dプリンター、ロボティクスのキットなどのほか、ミーティングルーム、ビデオ会議設備なども備えられています。さらに、企業と協力してAIについてのカリキュラムを提供したり、Dellの社員からメンターサポートを受けられる起業家プログラムを提供したりするなどの民間との連携も行われ、生徒たちが最新の技術に触れながらアイディアを実現させることができる空間が用意されています。
設置を希望し選ばれた学校に対しては、ATLを作るための初期費用と5年分の運転資金として合計200万ルピー(約290万円)が支給されます。
ATLは、インド政府のAtal Innovation Mission(AIM)という計画の一環として行われています。AIM自体は国内のイノベーションと起業を推進することを目的としており、その具体的なプランには、ATLの創設以外にもスタートアップ企業の支援や恵まれない地域でのイノベーションの推進などが含まれています。
2016年から設置が始まったこのATLは、現在はインド各地に5000以上も設置されています。