2025年3月8日(土)にオンライン開催された日本STEM教育学会の一般発表の枠において、STEAMJAPAN/BarbaraPoolで協力して実施させていただいている事業の各関係者らが、この1年間のSTEAM教育に関する取り組みを発表しました。STEAM JAPANとして関わってきたSTEAM教育の推進・実践の最前線について紹介や国内外で注目されるSTEM/STEAM教育の最新の実践事例や、未来の教育のあり方について議論が交わされました。
今回は、発表された内容を一部紹介させていただきます。
①大分県 STEAM教育推進取り組み
②大分県立国東高等学校 宇宙×STEAM取り組み
③つくば市「つくばSTEAMコンパス」事業取り組み
登壇者:
釘宮 隆之氏(大分県教育委員会)
藪亀 尋子氏(大分県立国東高等学校)
齋藤 航氏 (つくば市政策イノベーション部)
進行役 廣部 慧氏(一般社団法人STEAM JAPAN)
大分県教育委員会の釘宮氏は、大分県が2021年度から推進しているSTEAM教育の取り組みを発表しました。文理の枠を超えた教育を通じて、生徒たちの課題発見・解決力やデータサイエンスの能力を育成し、地域社会に貢献できる人材を育成することを目的としていること、事業計画の概要を説明。
令和6年度の具体的な活動内容を示しながら、データサイエンスを体験するイベント「OITA DATA SCIENCE EXPO」や、県内の希望生徒たちが約半年間におよびSTEAMに関する課題研究を行う「STEAM課題研究特別講座」などの開催した内容を発表。また、教員向けの研修も、探究的な学びのスキル向上やデータサイエンスの指導力向上を目指した講座等について説明されました。
大分県は、県全体としてSTEAM教育を推進し、次世代を担う人材の育成を目指す方針を明確に定め、それに伴う具体実践を部署横断しながら実施を行っています。
大分県STEAM教育推進事業サイトはこちら
次に、大分県立国東高等学校の藪亀先生から、STEAMを活かした新たな学び「宇宙 × 教育」に関して発表がありました。宇宙×STEAM教育として、全国的にも注目を集めるこちらの取り組み。
( 国東高校特設サイトはこちらから )
日本で最も宇宙に近い高校。を、学校の紹介コピーとして、宇宙をテーマに校内においては、学科等を横断して取り組み、国内外様々な専門家や姉妹校と連携して推進されています。
同校では、1年次から全員が「宇宙STEAM探究」を35時間履修し、2・3年次には「SPACE探究」や「ドリカムコース」など、宇宙に関する多様な選択科目を設置。宇宙観光や栽培技術、環境工学などを学ぶ機会を提供しています。これにより、STEAM教育を通じた探究心を育み、未来の宇宙産業を担う人材の育成を目指しています。
大分県立国東高等学校のサイトはこちら
そして、つくば市の齋藤氏からは、つくば市で2019年から進めてこられてきたSTEAM教育の事業をお話しされました。
STEAM JAPANも携わらせていただいている「つくばSTEAMコンパス」、こちらの内容についての詳細が語られ「学校教育の中での位置づけ」「事業概要や目的、進め方」などの情報共有の時間となりました。
授業を受けて、探究学習に主体的に取り組む児童生徒が増えている、ということがわかるアンケート結果の共有や、つくばSTEAMコンパスの体験をきっかけに、好きなことに夢中になって追求をし続け、学術論文を書く中学生の姿も見られるなどの成果報告がありました。
市政における教育の考え方から、関係者の声として、教員や研究者らの声も説明の中に含まれており、今後の方向性も明確で、つくば市独自のこれからの教育のあり方を示されました。
本発表では、大分県やつくば市での先進的なSTEAM教育の取り組みに加え、私たちがこの1年間で企画・運営してきたSTEAM教育の実践についてもご紹介しました。
全国でも先進的なこれらの取り組みは、今後の地域や学校におけるSTEAM教育のヒントとなることが期待されます。
つくばSTEAMコンパス のサイトはこちら
STEAM JAPAN では、STEAM教育の自治体導入を進めています。
STEAM教育の導入にご関心のある方(自治体、公教育関係の皆様方)は、お気軽に下記よりお問い合わせください。
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日本STEM教育学会は、21世紀社会に必要な資質や能力を育成するため、STEMおよびSTEAM教育の実践と研究を推進するために設立されました。学術的な視点からSTEM/STEAM教育を支援し、より効果的な教育実践の普及を目指しています。
本イベントの詳細は、日本STEM教育学会公式サイトをご覧ください。