大分県では、9月より女子学生の活躍やキャリア形成を応援する「女性活躍推進事業」(主催:大分県商工観光労働部 先端技術挑戦課・協力:(株)Barbara Pool/一般社団法人STEAM JAPAN))が始まりました。第一回目は、2020年に米TIME誌初の「Kid of the Year」、「最も優れた若きイノベーター」を受賞した15歳の女性科学者、ギタンジャリ・ラオさんによる国内初の特別オンライン講演会を行いました。ラオさんの経験や活動を通じて、ラオさんの原動力は何か、どのような思いで取り組まれているのかなどお話頂きました。今回はその様子をお伝えします。
「自分の力で未来を変えよう」という強い意思を持ち、挑戦し続けることができれば、誰もが世界を変えられるということを、ラオさんの経験や活動を通じて力強く語っていただきました。
ギタンジャリ・ラオさん プロフィール
2005年生まれ。早期鉛検出装置「ティティス」の発明で「アメリカで最も優れた若き科学者」に選出され、EPA(米国環境保護庁)の大統領賞を受賞。遺伝子工学を利用した鎮痛薬オピオイド依存症の早期診断装置「エピオーネ」や、AIと自然言語処理を利用したいじめ防止サービス「カインドリー」の発明者でもある。2019年に「フォーブスが選ぶ科学界の30歳未満の30人」、タイム誌の「最も優れた若きイノベーター」に選出。イノベーション、および世界中で実施するSTEMワークショップが過去2年間で4大陸の3万5千人の学生にインスピレーションを与えたとして、2020年にはタイム誌初の「キッド・オブ・ザ・イヤー(今年の子ども)」に選ばれた。セッションでは、自身のイノベーションのプロセスを、世界中の学生たちが使えるように伝えている。TEDスピーカーとしての経験も豊富で、グローバルなフォーラムや企業のフォーラムで、イノベーションとSTEMの重要性について発表している。(https://oita-g8.jp/sp-1st.html より抜粋)
ミシガン州フリント市の水道水汚染問題を知ったのは約6年前です。この問題は1つの市だけの問題ではなく、世界的に大きな環境問題であり、何かしなければいけないと行動を起こすきっかけになりました。
現在私は15歳です。学生向けのSTEMのイノベーター、発明家、作家です。科学技術が社会の変化に良い影響を与えると信じて行動しています。
今回の講演を通して、より多くの学生が科学技術や工学分野に関わることを推奨したいです。今日の講演が同世代の学生の皆さんの今後の行動に繋がるようなきっかけになると嬉しいです。
イノベーションがとても重要だと思います。古い考え・方法は重要ではありません。私たち一人ひとりがイノベーションに置いて重要な役割があります。探求することは豊かな世界の発見に役立つと確信しています。
パンデミックに関係なく、現在、世界中の約2億5800万人の子どもたち・若者が教育ができる機会に恵まれていません。これには複雑ないくつもの問題が絡んできますが、緊急の問題には違いありません。とても危機的なことで、彼らの人生に大きな制限がかけられます。
現在の教育問題の筆頭であるインフラの欠如や、物理的に学校にいけないこと、教師不足などは、リモートティーチングによって解決することができると考えます。この技術を使って、いつでもどこでも学習できる環境を整えなければ行けません。今は、教育問題をサポートできるテクノロジーがあるということは、とても良いニュースだと思います。
私たちのような向上心のある学生・若者をサポートしてほしいです。
若者たちには力があり、未来を変えて、持続可能な世界・環境を作り出すことができます。
学生が何か行動を起こしたいと言ってきたら、「YES」と言ってください。
質問をしてきたら、それに対して「YES」といってください。
学生が一歩踏み出そうとすることをサポートしてください。そのサポートが違いを生みます。あなたのサポートはとても大きくて大切なことです。
好奇心や大きな夢を持ちましょう。失敗を恐れずに、一歩踏み出しましょう。踏み出すことを恐れないでください。そして周りの大人たちは、一歩踏み出せるように、また一歩踏み出した子どもをサポートしましょう。私は幼い頃の母親とのゲームの中で学びました。母から好奇心を持つこと、その私の気持ちを持ち上げ、行動に繋がるような関わりをしてくれました。
失敗せずに実行することは難しいです。でもアイデアをつくり出すことは、いつでもできる。アイデアが思いついたら記録しておくこと。それがすぐに成功へと直結しなくても、将来のイノベーションに繋がると思います。
学生の皆さんは恐れずに質問をどんどんしましょう。あなたの成功に決定的な違いを生み出します。
失敗を意味する”fail”という単語は、学ぶこと、第一歩を踏み出すこと、一歩踏み出すことを恐れないことという意味があります。日々心がけていることや、何かにくじけそうになった時、この言葉を意識します。
失敗はつきものです。失敗は、成功につながっています。「NO」を恐れないでください。一歩踏み出すことを忘れないでください。
力強く、自分の言葉で語られるラオさんには、まさに「confidence(自信)」に溢れていました。「creative confidence」・・・まさに創造性から生まれる自信であり、自分の創造に対する自信。体現したような姿であり、今まさに日本の教育にさらに強化が必要な部分である、ととても感じました。アンケートでは、全国各地、たくさんの中高生から「ラオさんのようになりたい!」「自分もまずは第一歩を踏み出します!」といった、たくさんの反応があったそうです。
ギタンジャリ・ラオさんの書籍最後の方にも、紹介していただいております『STEAM JAPAN AWARD』ですが、9月の緊急事態宣言などを鑑み、10月15日まで応募期限延長決定いたしました!今回はアイデア賞も新設されましたので、是非ともこちらまずは「第一歩」を踏み出せていただけたらと思います!
『STEAM JAPAN AWARD 2021』詳しくはこちら。
https://www.pref.oita.jp/site/sme/senntan1-g8.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000060003.html
https://mainichi.jp/articles/20201228/k00/00m/030/147000c
https://www.kumonshuppan.com/general/general-syousai/?code=34231