【いづみ幼稚園】ウェルビーイングが循環する幼稚園

山梨県甲府市にあるいづみ幼稚園では、楽しい遊びを通して「自分らしくいきいきと生きる力」を育むことを目的に、ウェルビーイング教育を実践しています。2020年に日本の学校で初めて、ウェルビーイング教育のライセンスを取得し、絵本や楽しい遊びや対話を通して日常に取り入れた教育を実施するなど新しい取り組みにチャレンジ。今回、いづみ幼稚園では、STEAM JAPANが開発するSPARK!を課外活動として取り入れることが決まり、幼稚園で大切にしていることや、SPARK!に期待していることについてお話を聞きました!

左から、いづみ幼稚園の岩田園長先生とSPARK!を担当される髙橋先生

ウェルビーイングが循環する幼稚園

岩田園長先生:

これからの時代において、自分らしく生きるためには、時代に合わせた教育を受けることがとても重要です。 いづみ幼稚園では、時代にあった教育の重要性を認識し、ウェルビーイング(幸福感)の視点から保育を再考しました。これまでは、「自分で考えて行動する力」を目標としてきましたが、実際に「考える」には、何かについて深く考察する必要があります。これからは、与えられた問題に対してどのように対処するかを考えるだけではなく、明確な答えがない問題に対して、論理的思考と感情を組み合わせ、自分や友達との繋がりを通じて深く考えていけるようになることが重要だと考えています。

 「自分らしくいきいきと生きる力」を身につけるために

岩田園長先生:

いづみ幼稚園では、一年ごとに取り組む教育テーマを決めているのですが、2023年のキーワードは「対話」にしました。子どもたちが自分の意見を自由に表現できる経験は、互いに異なる考えを持つことの価値を知り、理解していくための素晴らしい機会になると考えています。具体的な取り組みとしては、毎週「こどもかいぎ」の時間を作って、子どもたちが本音で話し合う対話の場を設けたのですが、一人ひとりがユニークで、多様であることを知ることにつながってきていると感じています。普段の様子を見ていても、自分と違う考えに関心を持ち、お互いの考えを認めて話し合えるようになってきていますね。

いづみ幼稚園の教育目標:

出典:いづみ幼稚園公式サイト(https://www.iwatagakuen.ac.jp/

多様な経験を通じて育む自分の意志

髙橋先生:

子どもが持つ興味や感じ方は本当に様々です。興味はいつどのように変わるか予測できないので、継続的にきっかけが生まれるような環境を提供することが重要だと思います。子どもたちには浅く広く、ものすごく広いジャンルの体験を提供していくことで可能性が広がっていくのではないかと思います。

また、子どもたちの遊び方は、学年や性別よりも個々の性格や感じ方に大きく左右されるものだと思います。普段の遊び方を見ていても、一人ひとりが遊びに対するアプローチや感じ方が異なりそれぞれがとてもユニークです。もちろん、年齢が異なることで体験が全く異なることはありますが、遊び方に新たなバリエーションが生まれることもあります。うまくいくかどうかはさておき、重要なのは、もし予定通りに進まなくても、そのプロセスを楽しむことだと思っています。計画した活動が上手くいかなくても、「なぜうまくいかなかったのか」と考え、その過程自体を楽しんでもらえたらいいですね。

子どもたちのやりたい意志に寄り添う

髙橋先生:

一つのやり方に固執するのではなく、子どもたちが自分自身で「どこへ行きたいか」、「何がしたいか」について自分の意思を持てるようになることを目指したいですね。

答えのないブロックバケツを預けた方が、子どもは長く遊べるし、飽きずにどんどん難しいものに自分なりに発展させて行きます。SPARK!はそういう遊びであって、終わりのない、そういうものを提供してあげたいなと思っています。

SPARK!体験会の様子

■いづみ幼稚園からのメッセージ

先生も、子どもも同じ目線で学んでいく。先生は単に知識を伝える者ではなく、学びのプロセスを促進するファシリテータであるべきだと考えています。子どもたちと同じ方向を向いて、先生たちも一人ひとりが自分らしく取り組める園にしていきたいと思います。

まずは、自分(先生)自身が楽しむことが大切だと思います。そうでなければ、子どもたちも楽しくもないですよね。自分も子どもたちと同じ方向を向いて、楽しんで取り組んで行きたいと思います!