2022.09.09│STEAMレポート

STEAM教材活用保育園インタビュー!『STEAMアクティビティカードを活用し、発想力・思考力を養わせたい』

宮城県で企業主導型保育事業所『チャイルドルームきいろいくまさん』を経営しておられる佐々木拓哉氏は、STEAM教育を自身の園の保育で実践されています。今回は、STEAMアクティビティカードを園の教材として活用されるまでの経緯や、STEAM教育を通して子ども達をどのように育てていきたいか、を伺いました。

オンラインでインタビューにご対応くださった佐々木拓哉氏

ー保育所「きいろいくまさん」をご紹介いただけますかー

私の母が、4人の子育てが一段落した頃、近所のお子様を預かる託児所を始めたのが『チャイルドルーム きいろいくまさん』のはじまりです。自宅の一室を託児所として運営していた中、東日本大震災が起こりました。地元である南三陸町が甚大な被害を受けた中、力強く生きようとしている、前に進もうと励む知人・友人達の姿に影響を受けた母は、これからの将来を担う子どもを育てなければいけないという想いで、認可外保育所を開園しました。

その後、2017年に企業主導型保育園として、3つの園を開園しました。増園したことで、園長が長年抱いていた信念にも通じる”0〜5歳まで預かりたい”という想いが達成できました。さらに、定員66名の園を2019年に開園。現在4園を運営しています。

ーきいろいくまさんでSTEAM教育を導入することになった経緯を教えてくださいー

Barbara Poolの代表 井上祐巳梨氏が、JC仙台で『STEAM教育』に関しての講演をされたのを拝見しました。そこで初めてSTEAM教育を知りました。私自身が考えていた今後の教育における必要な要素と親和性を感じ、この教育は面白そうだなと大変興味が湧きました。

もう一つの理由は、日頃から園長と『幼保の教育格差』を考えていた時期でもありました。私達保育園は、お子様によっては約10時間近くお預かりすることもあります。そんな長時間の中で、今以上に子ども達と共に出来る経験・刺激はないか、より子ども達自身の考え方や発想力など身につけられるものは何かないかと模索していました。

保育園だからこそ子ども達に提供できるものがもっとあるはず、と考えていた時にSTEAM教育と出会いました。

ー園でのSTEAM教育。アクティビティカードはどのように活用していますか?その時の様子は?ー

先日、1つ目のアクティビティを実施しました。

最初はSTEAM教育や『STEAM アクティビティカード』を職員に説明した時は、当たり前ですが「STEAMってなに?」という受け身の反応でしたが、打ち合わせを繰り返していく中で徐々に職員達が、本を買って学んでくれたり、インターネットなどで調べたり。積極的にSTEAM教育を理解しようと取り組んだり、自分たちでどう実践できるかを真剣に考えてくれています。その姿が、とても嬉しいですね。

実際に体験する子ども達は大はしゃぎ、大喜びだったようです。「なんでこうなるの?」「次は、これも入れてみよう」など、自然と子ども達から疑問や次への挑戦の言葉が出ていました。初めての体験で、子ども達に良い刺激になっていると思います。
まだ使い始めたばかりですが、今後は2週間に1回ぐらい取り組んで行こうと考えています。

また、カードに記載している方法だけでなく、先生や子ども達のその場で出てきた新しい発想にも対応していきたいですね。1つのアクティビティカードを活用して、応用バージョンも実践していきたいです。それが、発想力や想像力を伸ばしたり、自由な思考力・表現力にもつなげていけるといいですね。

<STEAMアクティビティ体験会に参加した子どもたちの様子>

ー園ではSTEAM教育を取り組まれていますが、今後どのような子どもに育ってほしいと思いますかー

シンプルな言葉で表現すると”自分の力でご飯が食べられる人間”になってほしいですね。STEAM教育で培った考え方や発想力を活かして、自分の力で自分らしく生きていくような子ども達になってほしいです。

また、園としての方針の中に、”子ども達の「できる」を引き出す”というのを大切にしています。

子ども達はそれぞれにできる力や可能性があるので、周囲にいる大人たちが手を出さずに我慢して見守るということを重視しています。
”できる”という達成感や自信を子ども達が持てる教育を心がけています。

ーきいろいくまさんの園の保育理念や今後の展望を教えてくださいー

保育園という「預かる」というだけではなく、0歳時からの教育機関のような、幼児教育機関として認知されるように取り組んでいきたいと考えています。

また、教育に関して私自身は、格差が生まれてはいけないと考えています。子ども達が自分で考える教育が全ての子ども達に平等に行われなければいけないと思っています。子どもたちを預かり、次のステージに送り出すという大事な期間に関わる我々としては、今後、世界に子どもを送りだせるような教育をして、戦っていける力強い子に育てていかなければいけないと感じています。

ーSTEAM JAPAN編集部あとがきー

インタビューの中でも、「自分の力で」「自分らしく」「できる」「可能性」といった言葉がたくさん散りばめられていました。まさに、STEAM教育で育まれていく「自主性」や「創造性の自信(creative confidence)」にも繋がるお話でした。何より、実際に体験した子どもたちの「大はしゃぎで、大喜び」といった子どもたち自体の反応がすごく素直なもので、我々編集部も大変嬉しく聞かせていただきました。ありがとうございました!

<関連サイト>

*STEAMアクティビティカード導入検討の教育機関さまはこちらより問い合わせください。(問い合わせリンク:https://steam-japan.com/contact/ )

*かんたんワクワクおうちSTEAM本はこちら(Amazonリンク:https://www.amazon.co.jp/ワクワク-かんたん-おうちSTEAM-STEAM-JAPAN編集部/dp/477433278X   )

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