2026.03.31│STEAMレポート

【本日18時、2026結果発表!】STEAM JAPAN AWARD 2025 GOLD賞インタビュー 〜海洋ゴミ問題に挑む高校生チームの軌跡〜

STEAM JAPAN AWARD 2026の審査結果発表がいよいよ本日となりました!発表を前に、昨年度の受賞チームの中でも特に注目を集めた、GOLD賞受賞チームの取り組みをあらためて振り返ります。

中高生による社会課題解決型のプロジェクトを表彰する「STEAM JAPAN AWARD 2025」において、見事GOLD賞に輝いたのは、岡山県の山陽学園高等学校・地歴部のチームです。

彼らが挑んだテーマは、世界的にも深刻化している海洋ゴミ問題。身近な課題意識から出発しながらも、その解決に向けてアプリ開発という手法を選び、データやテクノロジーを活用したアプローチで着実に成果を積み重ねてきました。

その活動は国内にとどまらず、シンガポールでの発表や国際的な舞台への参加、さらには万博関連の取り組みへと広がり、今や世界規模での展開を見せています。高校生の枠を超えたその挑戦は、多くの人々に新たな可能性を示しました。

今回は、そんなチームを牽引してきた代表の高比良さんと、活動を支えてきた指導教員の井上先生にオンラインでインタビューを実施。プロジェクトの立ち上げ背景から、試行錯誤のプロセス、そして未来への展望まで、じっくりとお話を伺いました。

GOLD賞受賞、おめでとうございます!受賞を聞いた時の気持ちを教えてください。

高比良さん: 

一人で結果発表を見ていたのですが、まさか自分たちの応募作品が選ばれるとは思っていなかったので、本当に驚きました。

井上先生: 

生徒たちが頑張ってくれたことが何よりも嬉しいです。結果よりも過程を大切にしてきましたが、このように高い評価をいただき、心から感謝しています。

チームと活動について教えてください。

高比良さん:
地歴部には、中学1年生から高校3年生まで、およそ40名のメンバーが所属しています。私たちは「海洋ゴミ問題の解決」を大きなテーマに掲げ、瀬戸内海にとどまらず、より広い視点で海洋環境の課題に向き合っています。

新入生への部活動紹介でも、このテーマを明確に打ち出しているため、「社会課題に関わりたい」「環境問題に取り組みたい」といった意識を持つ生徒が多く集まっているのが特徴です。

実は私自身も、最初から海洋ゴミ問題に強い関心があったわけではありません。「社会に出る前に、実際の社会問題に挑戦できる」という点に魅力を感じて入部しました。活動を通して視野が広がり、今ではこのテーマに深く向き合うようになりました。


活動で苦労したことは?どのように乗り越えましたか?

高比良さん:
私たちが開発したアプリについて、ユーザーからレビューをもらった際に「使いづらい」という指摘を受けたことが大きな壁でした。社会的に良い取り組みであっても、それだけでは多くの人に使ってもらえないという現実を突きつけられた瞬間でした。

当初は技術的な知識も十分ではなく、どう改善すればよいか悩みましたが、視点を変えて「使いたくなる仕組みづくり」に力を入れることにしました。具体的には、ゲーム性を取り入れたり、自己啓発的な要素を加えたりすることで、利用者のモチベーションを高める工夫を重ねていきました。

井上先生:
生徒たちは専門のエンジニアではないため、関数の実装など技術的なハードルに直面する場面も多くありました。それでも試行錯誤を重ねながら、自分たちなりの方法で乗り越えていった姿が印象的です。単なる知識の習得にとどまらず、「どうすれば人に使ってもらえるか」という視点を持てたことは、大きな成長だったと思います。


印象に残っている出来事を教えてください。

高比良さん:
特に印象に残っているのは、井上先生からシンガポールのゴミの位置情報が送られてきたときのことです。自分たちの活動が海を越えて広がり、現地の方の行動や意識に影響を与えていると実感でき、とても嬉しかったのを覚えています。

シンガポールで活動が広まった背景には、前年度の3年生が英語版の資料を作成し、現地で発表したことがあります。その取り組みがきっかけとなり、海外でも関心を持ってもらえるようになりました。

今年は万博での発表も予定されており、自分たちの活動がさらに多くの人に届くことをとても楽しみにしています。これまで先輩たちがつないできた流れを受け継ぎながら、より大きな広がりを生み出していきたいと考えています。

市民活動として、この取り組みを広くつなげていく上での工夫はありましたか?

高比良さん:
一番大きいのは、「継続すること」だと思います。私たちはこの活動を長期間にわたって続けてきました。その中で、外部イベントにも積極的に参加し、さまざまなバックグラウンドを持つ方々と対話する機会を増やしてきました。

活動を広げていくためには、ただ発信するだけでなく、「自分たちの取り組みが本当に意味のあるものか」「どのような価値を生んでいるのか」を相手に納得してもらうことが重要だと感じています。そのためにも、自分たちが何を目指し、どんなことに取り組んでいるのかを丁寧に伝え、理解してもらうことを大切にしてきました。


今後チャレンジしたいことはありますか?

高比良さん:
現在は、Pythonの生成AI講習で学んだ知識を活かし、アプリの機能をさらに発展させたいと考えています。具体的には、画面上でゴミを自動的に分類できる機能の実装に挑戦したいです。まだ実現の道筋は模索中ですが、ぜひ自分たちの代で形にしたいテーマです。

また、この活動を通じて、心理学や経済学、科学などさまざまな分野に興味が広がりました。もともと学際的な学びに関心があったこともあり、今後は複数の学問領域を横断しながら、社会課題解決の糸口を見つけていきたいと考えています。それが現在の進路目標にもつながっています。

井上先生:
技術的な側面については、生徒たちだけで補うには限界がある場面もあります。そのため、今後は外部の専門家や企業などの力も積極的に借りながら、より実現性の高い取り組みへと発展させていきたいと考えています。外部との連携も、この活動を次の段階へ進める大切な要素だと思います。


「STEAM」という言葉について、どのような印象を持ちましたか?

高比良さん:
正直に言うと、最初は「STEAM」という言葉自体を知りませんでした。ただ、自分たちの活動内容を振り返ったときに、取り組んでいる社会課題や関心の広がりが、その概念と重なっていることに気づき、驚きました。

社会課題を解決するためには、既存の枠組みにとらわれない柔軟な発想が不可欠ですし、若い世代が主体的に関わることにも大きな意味があると思います。そうした点で、私たちの活動は結果的にSTEAM教育の考え方と通じていたのではないかと感じています。


同世代や、これから社会課題に挑戦する人へのメッセージをお願いします。

高比良さん:
私は「高校生のうちから社会課題に挑戦できる」という点に魅力を感じて、この活動に参加しました。実際に続けていく中で感じたのは、継続することの大切さと、外に出て多様な人と関わることの重要性です。イベントに参加したり、初めて会う人と話したりする経験が、自分たちの視野を大きく広げてくれました。

変化の大きい社会の中で前に進むためには、まず関心を持つこと、そして情報を集め、自分なりに考え、新しいアイデアを生み出していくことが大切だと思います。ぜひ、さまざまなことに挑戦してみてください。

井上先生:
生徒たちが主体的に取り組み、成長していく姿を見ることが何よりの喜びです。一方で、技術面などすべてを生徒だけで担うのは難しい部分もあります。だからこそ、外部の方々と協力しながら進めていくことが大切です。ぜひ多くの人と関わりながら、自分たちのやりたいことを形にしていってほしいと思います。


社会課題に真摯に向き合い、自ら考え、行動し続ける中高生たち。その挑戦は、確実に周囲を巻き込みながら広がりを見せています。山陽学園高等学校 地歴部の取り組みは、その象徴的な一例と言えるでしょう。

こうした一つひとつの挑戦の積み重ねが、やがて社会を動かす大きな力へとつながっていきます。

次はどのような挑戦が生まれるのか――。
STEAM JAPAN AWARD 2026 結果発表は本日18時!(こちらから確認できます) 発表をお楽しみに♪

▶ STEAM JAPAN AWARD 2026 公式サイトはこちら

▶ STEAM JAPAN AWARD 2025 受賞作品はこちら