オウルは、フィンランド北部に位置する人口おおよそ20万ほどの都市。初めて名前を聞くという方も多いと思いますが、教育観点で国際的にも高く評価されるフィンランドの中でも、最先端の教育都市として知られている場所です。幼児教育から大学レベルまで多様な教育が用意されていますが、今回は、オウルにおけるSTEAM教育をポイントに紹介します。
オウルには、「STEAM in Oulu」と呼ばれるSTEAM教育を展開する学校と団体で構成されるネットワークがあります。2018 年に始まり、現在では、30以上の幼児教育から高等教育までの学校と団体がネットワークに関与しています。
STEAM in Oulu:
STEAM in Ouluは、アート、メディア、サイエンス、テクノロジーの交差点で、未来の課題の解決策を模索する創造性と好奇心を育むコミュニティです。さまざまな専門家や組織と連携しSTEAM学習の発展を目指します。
STEAM in Oulu
実際に、どんな団体がオウルのSTEAM教育を展開しているのでしょうか。オウル STEAM ネットワークの一部はこちらです。
STEAM KAUPUNGINKIRJASTOSSA《オウル市立図書館》
オウル市立図書館では、学校向けに図書館利用スキル、情報検索、情報の信頼性を評価するスキルを身につけるためのさまざまなオンライン学習パッケージを提供しています。また、さまざまなデジタル環境に適応するスキルは、市民スキルと考え、日常のカスタマーサービスを通して図書館の利用者に案内を行っています。さらに、新しいテクノロジーを体験できるデジタルショップも併設され、体験を通して主体的に学べる環境が用意されています。
MAKERSPACE-TILAT《Makerspace施設》
オウルには、ファブラボや、メイカースペースと呼ばれるSTEAM学習のための多目的スペースがあります。3Dプリンター、レーザーカッター、電子ツールなどが用意されていて施設内で使用することができます。
公共施設の充実だけでも目を見張る内容となっていますが、これだけではなく、学校におけるSTEAM教育も充実しています。近年では、基礎教育の開発を進めてきたオウルの STEAM 教育を、幼児教育から開始しようと拡張する動きも出てきています。
「Intoa ja iloa Oivaltamosta」《Oivaltamo から喜びと感動を》
2022年から始まったプロジェクト「Intoa ja iloa Oivaltamosta」は、フィンランド国家教育委員会の幼児教育における革新的な学習環境プロジェクトの一環で始まったものです。デジタル学習環境の整備、デジタル化の促進、教育実践の開発などを目的としています。
「Intoa ja iloa Oivaltamosta」では、オウルの4つの地域からそれぞれ1つの幼稚園が選ばれ、科学・芸術・技術教育のための学習環境「Oivaltamo(オイヴァルタモ)」を構築します。オイヴァルタモには、探検、活動、表現、芸術活動に適した道具や設備が用意されています。活動が進むにつれ幼児教育のためのSTEAM学習経路を構造化して開発していくという狙いもあります。
世界的に見ても最先端と言える新しい取り組みがどんどん始まるフィンランドのオウル。そのほか「世界のSTEAM」にまつわる場所の視察のご相談もSTEAM JAPANには増えてきています。教育関係者の方でご興味ある方は、STEAM JAPANの問い合わせまでご連絡ください。
<出典>
City of Oulu:
https://www.ouka.fi/oulu/english/information-about-oulu
https://www.ouka.fi/oulu/paivahoito-ja-esiopetus/varhaiskasvatuksen-hanketoiminta
STEAM in Oulu:https://www.steaminoulu.fi/
VISIT OULU:https://visitoulu.fi/en/edu-tech/
Intoa ja iloa Oivaltamosta :https://sway.office.com/7VBKw8AAnax8FeL7?ref=Link