【やまとこども園】日本の教育を変えるチェンジメーカーへ

奈良県大和郡山市にある、幼保連携型認定こども園「やまとこども園」は、奈良県初の国際バカロレア(IB)認定校を目指すこども園。また、SPARK!の導入も予定しています。今回、「やまとこども園」を含む複数の園を運営する社会福祉法人アタラシイカタチの理事長である生田宏史さんに特別にこども園を見学させていただき、幼児教育に対する想いや今後の展望についてお伺いしました!

社会福祉法人アタラシイカタチの理事長 生田宏史さん

奈良から始まる、アタラシイカタチ

– 生田さん、今日はよろしくお願いいたします!まず初めに、社会福祉法人アタラシイカタチが運営される園について教えていただけますか?

生田理事長:

社会福祉法人アタラシイカタチでは、「やまとこども園」をはじめとする7つの園を運営しています。私は、その理事長を務めて今年で3年目になります。園では、生き生きとした子どもを目指し、子どもたちにとって安心した環境を整えながらも、さまざまな新しい取り組みにチャレンジしてきました。おかげさまで、少子化の時代ではありますが、安定して入園希望者が毎年きてくれています。今年の4月には新しい園も始まりました。

教育は、時代にあわせて変えていく

– 園ではどのような取り組みをされていますか?こだわっている点や、新しく取り入れていることはありますか?

生田理事長:

園では、専門性のあるスタッフを直接雇用し、子どもたちの学びの環境を整えています。例えば、以前は、英語を教えるスタッフを外部から派遣する形でしたが、より質の高い教育を目指し、自分たちで選んだスタッフを直接雇用するように変更しました。現在は専門的なスキルを持った英語講師を3名採用しており、彼らの存在が教職員と子どもたちに新たな刺激が生まれているのを感じています。

この変化は、教育の質だけでなく、子どもたちの多様性への理解やコミュニケーションスキルの向上にも影響していると思います。専門の講師が固定して勤めることで、子どもたちの学びが一時的なものではなく、継続的なものとなり、安定した教育環境が保つことにもつながります。講師が頻繁に変わることのストレスから子どもたちを守り、安心して学べる場を提供することを心がけています。

また、現在は、ニュージーランドでの親子留学も準備しており、グローバルな視点で幼児教育を実践していくための環境を整えることもしています。

– 積極的に色々なことにチャレンジされているのですね。

生田理事長:

そうですね。もちろん、これまで培われた理念や教育実践も大切にしなければなりませんが、時代に合わせて変えていくことも重要です。昔からのことを尊重しつつ、現代のニーズに適応させていくようにさまざまなことを追求したいし、挑戦してみたいとも思っています。現在は、奈良県初の国際バカロレア(IB)認定校も目指しています。

– どうして国際バカロレア(IB)認定を目指すことにしたのですか?

生田理事長:

国際バカロレア(IB)の取り組みを知った時、まさに、私たちのこれまでの取り組みに合致していると思いました。言語化された感覚です。現在は、私たちのこども園を国際バカロレア(IB)認定校に変え、さらに、その延長で小学校を設立する計画をしています。

奈良県には、私たちと同様にIB認定を目指している公立の中学・高校があるので、小学校の設立が実現すれば、3歳から18歳までの一貫教育を提供することが可能になります。これが実現すれば、子どもたちが幼少期から青年期にかけて、質の高い国際的な教育に触れることができるようになり、子どもたちが継続して学びを深められる環境を提供できることになりますよね。こうやって、子どもたちがどのような大人になるのかを見届けることが、「アタラシイカタチ」の創出につながるのではないかと考えています。

奈良から日本の教育を変えたい

– 日本の教育を変えていくチェンジメーカーとなるような取り組みですね。教育に対する強い想いがあるのでしょうか。

生田理事長:

きっかけは、私の子どもが保育園から小学校に進学する際に、日本の一斉授業の限界を目の当たりにしたことでした。幼稚園や保育園での主体的な学びが小学校に進むと突然形式的な学びに変わることに疑問を持ちました。特に、日本の教育制度の暗記中心の詰め込み式の学習や受験中心のアプローチは、このような制度に馴染めない子どもたちが再び戻るのが難しい状況を何度も目の当たりにしてきています。決して簡単ではないと思いますが、このような状況を変えるには、こども園から始めて小学校、中学校へと継続して行けるような主体的で探究的な学びの環境を整えることが重要だと感じています。

– 今後の目標はありますか?

生田理事長:

私たちの教育は、卒園した子どもたちがどのような大人になるかで評価されると思っています。彼らがどのように成長し、社会にどのように貢献するかを目の当たりにすることは、私たちの取り組みが正しい方向に進んでいるかを判断する上で重要です。IBプログラムを導入することで、子どもたちがこども園から小学校、そしてさらにその先の学びへとスムーズに移行し、多様な大人に成長していく様子を見守ることができると信じています。

さらに、将来的には国際的な交流も視野に入れ、海外からの来園者も歓迎できるような仕組みを作れたら面白いと思っています。奈良県の立地も生かして、奈良から世界へとつながる教育の場を提供していくことができたらいいですね。日本の教育システムに新たな変革をもたらすべく、地元奈良から活動を広げていくことを目指したいと思います。