日本初のCoderDojoは2012年にはじまりました。下北沢から小さく始まった子どもたちのためのプログラミング道場が2020年現在、全国で215ヶ所以上まで広がりました。世界的規模の自由なネットワークであるCoderDojoは非営利であり自主性を重んじている点が大きな特徴です。学びたいことは参加する本人が考えて決めます。
今回のインタビューでは、一般社団法人CoderDojo Japanの代表理事 安川氏にCoderDojoの特徴についてお話を伺いました。
安川要平氏プロフィール
一般社団法人 CoderDojo Japan 代表理事
2012年に下北沢オープンソースCafeのメンバーと共にアジア初の CoderDojo を立ち上げ、当時から現在に到るまで CoderDojo コミュニティをより楽しくしていくためのコミットを続けています。IPA認定未踏スーパークリエータ、未踏ジュニア共同発起人、TEDxRyukyuスピーカー、Developers Summit 2018 U-30 代表
参考サイト: https://dojocon2019.coderdojo.jp/session/13/
CoderDojo は2011年に、当時高校生だったジェームズ氏と投資家のビル・リャオ氏によって立ち上げられました。対象は主に7〜17歳の若い方々です。現在では世界110ヶ国、2000以上のDojoがあります。この活動を知った下北沢オープンソースCafeの方々と「何か面白そうな活動があるよ、こんなことを日本でもやってみない?やれないかな?」と話し合い、2011年末から2012年にかけて開催に向けた準備が始まりました。
そういった準備が実を結び、日本初のCoderDojoは、2012年5月に、共同発起人であるジェームズ氏も招いたカタチで開催できることになりました。その後しばらくは数ヶ所で小さく活動を続けていました。当時は数ヶ所しかなかったですが、少しずつ活動の輪が広がっていき、2016年には国内のDojo数は50ヶ所以上となりました。この頃から、法人とも連携できる仕組みを模索したり、CoderDojo 財団 (CoderDojo Foundation) から支援を得られたことなどもあって、一般社団法人 CoderDojo Japan が設立されました。
2017年には国内のDojo数は100ヶ所を超え、2018年には150ヶ所以上に輪が広がりました。現在日本には200以上の道場があり、世界的に見ても有数の活発な地域になり、Facebook Japan や Google Japan といった著名な企業を含む、合計20社以上のパートナー法人と連携することにもつながっています。
現在は、一般社団法人CoderDojo Japanに所属するメンバーの1人として、全国各地で活躍されているCoderDojo関係者を裏側から支援したり、CoderDojo財団を含む海外チームとの情報共有、支援を受けたいDojoと支援ができる法人とを橋渡しする役割などを担っています。
CoderDojoでは、各Dojoによって学べる内容が異なり、Dojo内においても各個人が学びたいことを学びます。特に、子どもたち自身が主体的に学ぶ姿勢を大切にしています。教える・教わるというスタイルよりかは、メンターと相談して一緒に考えたり、参加者同士で学び合うといったスタイルが多いかなと考えています。
CoderDojoの面白い特徴の1つは、【CoderDojo憲章 (https://coderdojo.jp/charter)】と呼ばれる共通の理念を守っている限りにおいて、それぞれのDojoが自由なスタイルで運営できる点です。CoderDojo には【CoderDojo憲章】という世界中のすべての道場で共通している憲章があります。例えば「参加者間の協力を促進し、同世代間のメンタリングや参加者同士のプロジェクトを推奨します」や、「道場に参加する子ども達や、その保護者から料金を徴収しません」といった理念です。これらの共通理念に同意することで『CoderDojo』として活動することができ、先述したパートナー法人からの支援を受けたり、全国各地のそれぞれの事情に合わせて柔軟に運営することができます。日本の法律にも似たような目的があると法学者から伺ったことがありますが、CoderDojo憲章も同様にして、共通の理念を明文化し、分かりやすくまとめたことで、自由を最大化する効果があるのかなと考えています。