楽しい!没頭して学べるプログラミング教材「Playgram(プレイグラム)」〜Preferred Networks代表 西川徹氏〜

2020.10.13│STEAMレポート

 今年4月から義務教育として小学校でプログラミングの授業が始まり、子どもたちや先生、親御さんもプログラミングに触れる機会が増えています。そのような中、AIなどのコンピューター・サイエンス技術で最先端をいく、株式会社 Preferred Networksがプログラミング教育事業をスタート。その第一弾として独自開発の小学生向けプログラミング教材を発表しました。教材開発のきっかけやプログラミング教育への思い、代表取締役の西川社長の考える次世代教育について、お話を伺いました。

西川徹社長 プロフィール

2007年 東京大学大学院情報理工学系研究科修士課程修了。
大学院在学中の2006年に大学時代の友人等と、前身となるPreferred Infrastructureを設立し、情報検索、自然言語処理、機械学習などの技術を用いたソフトウェア開発を行う。2014年に深層学習への取り組みを加速させるため、2014年にPreferred Networksを設立。交通システム、製造業、バイオ・ヘルスケアの3つの重点事業領域をはじめ、パーソナルロボット、プラント最適化、材料探索、スポーツ解析、エンターテイメントなどの分野にも深層学習の応用領域を拡大しています。
2006年 第30回ACM/ICPC 国際大学対抗プログラミングコンテスト世界大会19位
2013年 情報処理学会ソフトウェアジャパンアワード受賞

プログラミング教材「Playgram (プレイグラム)」開発の経緯

 きっかけは今年の4月からプログラミングが小学校で必修化されたことです。子どもたちがプログラミングを学ぶ機会が増える状況は喜ばしいものの、ビジュアルプログラミングで知られるScratch(スクラッチ)などの簡単な入門教材が多数を占め、そこから先のステップにつながるような教材が不足していました。一方で、大人やプログラミング上級者は、ユニティなどの開発ツールやC#(シーシャープ)のようなテキストベースのものを使っています。

 この入門者向けと上級者向けの間を埋めるような、本格的な教材が必要であると考え、「Playgram」を開発しました。昨年の初旬からエンジニアみんなでディスカッションし、構想を練って、リリースまで1年半かかりました。

  Playgram はビジュアルプログラミングだけで終わらせず、その先のテキストコーディングもスムーズに学べるように開発しました。ゲームに慣れ親しんだ子どもたちの興味を引きつけ、プログラミングの楽しさを実感できるよう、3次元のグラフィックをふんだんに使っています。本格的な技術を学べる教材でありながら、ゲームのような世界観で、子どもが楽しみながら没頭することができます。

今後、Society5.0の次世代を生き抜く人材とは

 会社で重視する価値観「PFN Values」の1つに「Learn or Die(死ぬ気で学べ)」を掲げています。この言葉が示すように、生き残るためには、常に学び続ける姿勢が重要です。

 今後、更なるコンピュータの進化により、社会が大きく変わっていくことが予想されます。新型コロナウイルスの影響も加わり、今までの常識がひっくり返るほどの変化がおきつつあります。そうした変化に対応し、新しい情報や知識を吸収しながら、その変化を生かして新しいものを創り出せる人材が求められるのではないでしょうか。
 また、そうした子どもを育てるには、何かに没頭できる環境を作ることが重要だと思います。なにかを突き詰めた経験のある人にしか見えないものがあるからです。それはどんな分野でも必要とされる、物事の本質を捉え、抽象化して、論理的に考えつつ、新しいものを作り出すという力に繋がります。数学でも読書でもスポーツでも何でもいいので、とにかく何かに没頭させてあげること、物事を突き詰める経験をすることが大切ですね。

次世代の教育についてどのように考えますか

 次世代の教育を考えるとき、ゲームのようなエンターテイメントと教育の関係性は将来もっと密接になるような気がしています。往々にして、これら2つは相反するものと考えられがちですが、ゲームと教育が近づいていくことによって、子どもは楽しみながら自発的に学ぶようになるし、そもそも学ぶことは楽しくあるべきだと思うのです。

 私も中学受験を経験したので、受験が悪いものとは思っていませんが、私自身、好きな算数は徹底的に勉強しましたが、つまらなかったり好きでなかった教科は勉強が進まなかったことを覚えています。いかに勉強を楽しいものにするか、いかに子どもの興味を引きつけるかは、次世代の教育の鍵だと考えます。

 そのためには、テクノロジーを生かした良質な教材が必要です。最近の子どもたちはゲームで目が肥えているので、中途半端なものだとすぐ飽きられてしまいます。「自分でもこういう世界が作りたい!作れるかも!」と子どもたち自身が思い、ワクワクするものでないといけません。 
 例えば、数学オリンピックに参加している人は、問題を解く・順位を競うことに楽しみを覚えていると思います。それと同じように教育を遊び心とうまく組み合わせ、勉強することそのものを遊びや楽しみにしたいと思っています。

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