WiSci (women in science) STEAM Campは、STEAMの性別間格差をなくしたいと願う官民様々な団体(アメリカ国務省、グーグル、インテルなど)のパートナーシップによって提供されている、女子高校生のためのプログラムで、2015年に始まりました。
このキャンプでは、世界中から集まったおよそ100人の10代の女子高校生たちが2週間ともに暮らし、STEAMやリーダーシップを学びます。キャンプでは、コーディングや携帯を使った顕微鏡作りからAIまで様々な分野を自分の手で学び、STEAMやリーダーシップの力を伸ばすことができます。中心となるのはペアや小規模グループでの実践学習で、他にもリーダーシップ育成のセッションや文化交流などが行われます。また、様々なSTEAM分野のメンターと交流したりスポーツなどのアクティビティも。こうして、様々な形での学びを経験できるのです。
そもそもこのキャンプが始まった背景には、男女格差があります。女性がSTEAMの道に進むには障壁があり、教育レベルも男子と比較して低い傾向にあります。また、世界の労働市場では、同一労働でも男性より賃金が低かったり、低スキル低賃金の職業に従事しがちです。一方、理数系分野の職業には高い価値があるとみなされます。WiSciパートナーは男女の平等のためには女子のための機会の拡充や女子のSTEAM教育のためのさらなる投資が必要だと考え、このSTEAMキャンプが始まりました。
2015年にルワンダから始まったこのキャンプはその後毎年行われ、徐々に開催国を増やしています。今年2019年には7月から8月にかけナミビア、てエチオピア、コソボ、エストニア、オレゴンでそれぞれ行われます。参加できるのは、開催国およびその周辺国、またはアメリカに住む15~18歳の女子。参加者に選ばれると、自宅から会場までの交通費から参加費まで主催者側が負担してくれます。
2018年にアフリカで行われたキャンプについて参加者を対象に行われた調査では、ほとんどがキャンプによってリーダーシップスキルが伸びたりものの見方が変わったと答え、高等教育を受けている回答者のうち78%がSTEAM分野について学んでいると答えました。
Girl Up “WiSci Girls STEAM Camp”
(文:佐藤琴音)