アメリカ 学びに関わる全ての人へ MITのオンラインリソース

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、マサチューセッツ工科大学(MIT)は、様々な形で学生や親、教育関係者を支援する取り組みを行っています。

高等教育

MITは、2010年からオンラインコースプラットフォームedX上で世界中に向けて無料のオンラインコースを提供しており、コンピュータサイエンスやサステナブルデザインなど幅広い分野の47のコースが開講されています。すでに200カ国以上から400万以上の人々がコースに登録していますが、この需要は急速に伸びており、2週間で100,000の新たな受講登録があったといいます。

教員向けサポート

MITはすでに、在籍する学生に向けてリモート授業を展開しており、1251の授業がオンラインで行われています。その中で蓄積された知見が、世界中に向け共有されています。その一つが「Tearch Remote」というリモート授業が初めての教員向けのウェブサイトで、最適な授業の方法やツール、さらに生徒の関心を保つ方法なども紹介しています。そのほかにも、ポッドキャストなどでも情報発信を行っています。

K-12(幼稚園〜高校)向け

学校が休校となる中、在宅で授業をする際にいかに生徒を授業に集中させるかは一つの課題です。コンピュータゲームやインタラクティブ・ラーニングの専門家のクロプファー教授らは、教育現場の声を聞きFull STEAM Aheadという新しいサイトを立ち上げました。この中では全学年向けに、様々な機関が提供するSTEAM教育リソースを紹介しています。また、テレビゲームに子どもが熱中することを心配する親に向けて、これからの社会で必要なスキルを身につけられるゲームを紹介しています。

Full STEAM Ahead ホーム画面

画期的な点の一つは、週ごとに提供される学習パッケージです。これは、一つのテーマに沿って年齢ごとに異なる内容で構成されていて、最初のテーマは「病気の拡散」でした。このパッケージでは疫学的モデルを使って感染拡大の進み方や社会的距離の重要性について理解でき、低学年向けには子ども向けプログラミングソフトScratchを使ったアクティビティ、高学年向けにはウイルス拡散を防止するアプリの開発というように、学年が上がるとより高度な内容になっています。

MITのサーマ教授は、「人類はこれまで、危機に適応してきました。私たちはこのような難しい状況で、適応し、学び、さらには成長しようとしている人々を支援できることを光栄に思っています」と話しています。

参照サイト

MIT News "Students and teachers rely on MIT teaching and learning resources now more than ever"

カテゴリ:世界のSTEAM教育