アメリカでのコンピュータサイエンス教育と格差

この記事では、Googleとアメリカのコンサルタント会社Gallupによるコンピュータサイエンス(CS)教育の格差に関するレポートについてご紹介します。

コンピュータ業界の仕事は、2016年から2026年の間に13%増加すると予想されています。これは、他職種の平均よりも早い成長率です。しかし、調査によって全てのK-12(幼稚園〜高校相当)の生徒がCSを受けられたり認知していたりするわけではなく、特に女子および黒人生徒でギャップがあることが分かりました。。

現状を理解し、解決策を探るために、Googleはアメリカのコンサルタント会社GallupによるK-12のCS教育に関する調査に資金援助を行っています。今回ご紹介するのは、Gallupによる最新レポート(Current Perspectives and Continuing Challenges in Computer Science Education in US K-12 Schools)です。このレポートでは、7000人以上のアメリカの教育者、保護者、行政、生徒に行ったインタビューの分析による発見がまとめられています。

調査からわかったポイント

  1. 黒人・ヒスパニック・白人生徒の間には、いまだにCS教育へのアクセスにギャップがある・・・Gallupによると、黒人とヒスパニック生徒のそれぞれ46%しか高校でCSに特化した授業が受けられません。一方で白人ではその割合は52%です。
  2. 有意なジェンダーギャップがある・・・男子生徒の73%がCSの学習に満足しているのに対し、女子で満足しているのは60%でした。
  3. CSは教育長の最優先事項だが、教室では実現されていない・・・2020年のレポートでは、58%の教育長がCSがその地区の現在の最優先事項であると答えました。一方で公立校の教師の8%、校長の28%しかCSが学校の最優先事項として扱われていると答えませんでした。
  4. 生徒たちは、CSの学習が重要だと考えていない・・・特に女子生徒は、CS学習の重要性に懐疑的です。CSの学習が自分たちにとって重要だと答えた割合は、男子では49%だったのに対して女子では31%でした。

女子生徒、黒人・ヒスパニックの生徒がCSの授業を受け、興味のある生徒には質の高い学習機会が与えられるためには、保護者、教育者、地域のリーダー、政策立案者、非営利団体、テクノロジー産業の介入が必要です。また、様々な分野でCS活用できると知ることも必要です。

Googleの格差解消に向けた取り組み

CS教育の格差を埋めるため、GoogleはGoogle.orgによる8000万ドルの出資とCode with Googleの一部としての様々なプログラムを行っています。例えば、Code Nextは黒人・ヒスパニックの高校生のための無料のCS教育プログラムです。Grasshopperは、携帯やブラウザから直接使える、初心者のJavascript学習のためのプログラムです。またGoogle.orgの出資の一部として、Kapor Centerによる公平なCSカリキュラムについての構想作成のために300万ドルを出資しました。

参照サイト

Google “Computer science education still has diversity gaps”