ドイツ 幼児教育に「探究」を取り入れる取り組み

Haus der kleinen Forscher(「小さな科学者の家」の意味)は、STEM分野の早期教育向上を目指す非営利の財団です。2006年から始まったドイツ最大をうたう早期教育戦略で、長期的にはドイツの3~10歳のすべての子どもの教育機会を向上することを目指しています。

この財団が掲げるビジョンは「質問-探究-未来を作る」。その言葉通り「探究」というプロセスが重要視されており、科学者と同じように探究し、答えを見つけ出すプロセスをまとめた「探究サイクルメソッド」も打ち出しています。探究を幼児教育の中で実行するため、様々な地域ネットワーク、専門家などと協力しながら活動を行なっています。

財団の活動は、主に「探究学習のコンテンツ作成」と「教育現場の育成」に分けることができます。

コンテンツ作成に当たっては自分たち自身を「学習団体」として位置付けており、専門家のアドバイスを受け、最新の研究を取り入れながら探究トピックや教材を作成しています。探究のトピックは「水」、「空気」、「磁石」など様々です。それぞれのトピックについて、探究のアイディアになるアクティビティなどをまとめたカードと、背景情報を補足するパンフレットが作られています。教材はドイツでは無料で手に入れることができ、一部は英語にも翻訳されています。

こうして出来上がる教材や教育手法は、自治体、青少年局、企業、博物館といった地域パートナーを通じて教育現場へと届けられます。主に対象となっているのは、幼児教育・保育施設、アフタースクール、小学校です。地域パートナーは、これらの機関の教育者向けに専門家育成プログラムを提供します。このプログラムを、財団によるトレーニングを受けた地域トレーナーが実施します。プログラムでは、それぞれの探求トピックのほか、「持続可能な開発のための教育」を取り入れる方法なども扱われます。

そして、子どもたちを「科学的発見への旅」へと導いている幼児教育・保育施設、アフタースクール、小学校は、地域ネットワークパートナーを通じて「Häuser der kleinen Forscher」の認定を受けることができます。認定を受けるためには、方向性(数学的、技術的、科学的内容が教えられているか)、構造(適切な教材があるか、どのように教育内容が決められているか)、プロセス(どのように教育が行われているか)、周辺環境(家族、企業、教育機関などの外部との関わりがあるか)という4つの側面で評価を受ける必要があります。

「ドイツ最大」という言葉通りこの活動はドイツ中に広まっており、今年3月の時点では5400の幼児教育・保育施設、放課後教室、小学校が「Haus der kleinen Forscher」に認定されています。また、91%の幼児教育・保育施設、86%の放課後教室、74%の小学校で、専門家育成プログラムが利用可能になっています。さらに、2013年にはオーストラリアでもこの方法が取り入れられました。

参照サイト

Haus der kleinen Forscher 公式HP