アメリカ 特別支援教育でSTEAM導入した学校

アメリカ・ペンシルバニア州にあるモンバレースクールは、自閉症や身体障害などにより特別な支援が必要な生徒のための学校です。5~21歳の生徒が通うこの学校では、特別支援学校としては珍しくSTEAMプログラムを導入しています。

ある幾何学の授業では、ロボットをコーディングして大きなキャンバスの上のペンキをが避けたり、跳ねとばす課題が出されました。この授業で生徒達が得るのは、ユニークな芸術作品だけではありません。角度や測量について学び、批判的思考や課題解決能力を鍛えることができます。

この学校がSTEAM教育導入に向けて動き始めたのは、4年前です。現代の子供たちのほとんどすべてが携帯やiPadとともに育ちますが、それは特別支援教育を受ける子供達も例外ではありません。スタッフ達は、新しいテクノロジーを教室に導入して生徒達の関心を高めるべく動き出しました。

教員らは、国中の似たような学校の中でSTEAMを取り入れているところを探しましたが、そう多くは見つかりませんでした。

しかし、テクノロジーを使うことは障害を持つ生徒に対しては殊更に有益だと言います。

多くの生徒は、言語表現や理解に問題を抱えています。また、作業療法や理学療法を必要とする生徒もいます。彼らにとっては、書くことが問題になり得ます。もしカメラがあって自分のことを録画できれば、課題を行ったり考えを伝えることがもっと簡単になります。

それにはまず、テクノロジーを手に入れることが先決です。モンバレースクールは交付金を受け、毎年設備を買い足してきました。現在はSpheroなどの子供のためのロボット教材やSTEAM教育用のラボを備えており、教室ではこれらを用いて生徒主導で実践学習を行います。

STEAM教育を取り入れてから、生徒だけでなくスタッフにも大きな進展がありました。大人たちはそれまで、手取り足取り手助けをしてきました。しかし今は、子どもたちがそう長い時間をかけずとも自力でできるということを学んでいます。

新たなテクノロジーや実践的な学習により、生徒達の関心が高まり行動も改善しました。何よりも、生徒達は学ぶことをより楽しんでいます。

参照サイト

TRIB "Offering STEAM to students with special needs should be a priority, Mon Valley educators say"

Mon Valley School ホームページ

(文:佐藤琴音)