【シンガポール】STEAM分野で世界をリード!?シンガポールの教育制度とは?

シンガポールの教育制度に興味をもっている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。世界的にも高い学力を誇っているといわれています。
とはいえ、

・どれくらいの学力なのか
・教育制度について詳しく知りたい

と感じているかもしれません。
この記事では今春からSTEAM JAPAN編集部に参画し教員や塾講師など、さまざまな現場で働いたSTEAM JAPAN編集部メンバーのひとりがシンガポールの教育について解説していきたいと思います。

シンガポールの学力について

シンガポールは、長期にわたって高い学力を持ち続けている国です。
2015年のPISA調査では、「読解力・科学的リテラシー・数学的リテラシー」3つの分野で世界トップとなっています。
1つの分野だけ突出しているケースはありますが、シンガポールのようにさまざまな教科でトップになっていることは珍しいことだといえるでしょう。また、最近では2019年に行われたTIMSS2019の調査で「算数(数学)・理科」の分野で1位をとっています。

印象的なのは、シンガポールの教育では、推論する力や探究するスキルなどの「知識を活用すること」を身につけさせることに重点を置いているというところです。日本では知識を「活用すること」に課題があり、学習指導要領の中でも、「主体的な学び」を行うように推奨されています。ただ覚えるだけではなく、しっかりと活用できるような知識となっている点でシンガポールの学力は相当高いといえます。

シンガポールの教育制度

シンガポールの教育制度については、「Primary・Secondary・PostSecondary」の3つに分かれています。
「小学校・中学校・高等学校」のようなものなので、制度としては日本とかなり似ているといえるでしょう。

異なるのは義務教育の期間です。日本では「小・中学校」が義務教育なのに対して、シンガポールではPrimaryの6年間のみが義務教育になります。
また、シンガポールではPrimaryを卒業した後にPSLEという試験を実施することになります。このテストによって、自分が進学する中学が決まることになるのです。

日本では、中学校は自宅から近いところに通うというイメージがあるのではないでしょうか。私立を除いては、テストで学校が決まるのは高校からと考えるかもしれません。しかし、シンガポールでは早い段階から学力が要視されているのです。

大学進学を目指す場合には、PSLEの試験で高得点(Express)を取る必要があります。もし得点が低かった場合は、大学への進学が難しくなるといわれています。

出典先:Science Centre Singapore

シンガポールと日本のSTEM/STEAM を比較

課題を見つけて新しい価値を作っていくものとして、最近では「STEAM教育」が注目されています。では、シンガポールのSTEAM教育はどのようになっているのでしょうか。

STEAM教育について多く学習することができるのが、「Science Centre Singapore」という施設です。すべての学生を科学好きにすることや、シンガポールの国力を上げるという背景で作られました。

ここでは、1000近くのSTEAMを体験できるアクティビティがあるのが特徴です。「学びに終わりはない」というコンセプトのもと、対象年齢はありません。14のギャラリーに1000以上の展示があります。エコガーデンでは、たくさんの植物を育てています。
シンガポールでは低学年の段階からPALというプログラムが用意されていて、質の高いSTEAM教育を受けることができます。
STEAM教育に欠かせないのが主体的に学ぶことです。

日本の教育では、まだまだ生徒が受け身の授業が多くあります。
黒板に書いてあることをひたすら写したり、教科書の内容を暗記したりするといった学習スタイルをとってきた方も多いのではないでしょうか。

最近ではプログラミング教育が必修化されるなど少しずつSTEAM教育が入ってきていますが、今後はシンガポールのように少しずつ教育を変化させていく必要があるかもしれません。

シンガポールのコロナ禍での学校対応

コロナによって、学校が閉鎖されるなど大きな変化がありました。想定外の事だったので、混乱した方も多くいたはずです。しかし、シンガポールでは学習に支障をきたすことがほとんどありませんでした。
シンガポールではコロナのような事態に備えて、あらかじめオンラインで学習する訓練をしていたからです。


学校が閉鎖しても、生徒たちは混乱する事なくオンライン学習に移行することができました。
学習を大切にし、どんな状況でも取り組むことができるようになっているのはシンガポールの魅力だといえるでしょう。

まとめ

シンガポールは上記で挙げた「Science Centre Singapore」を中心に教育に取り組んでおり、国が一体となって子どもたちの教育に熱心に取り組んでいることがわかります
日本でもシンガポールの良い部分は一部取り入れつつ、取り組んでいけると良いですね。

参考文献

・東洋経済ONLINE:  https://toyokeizai.net/articles/-/403435

・日経新聞
https://dual.nikkei.com/atcl/column/19/033100068/050100012/

・シンガポール教育省(MOE): EducationSystem:
https://www.moe.gov.sg/education-in-sg

・One World International School:
https://www.owis.org/blog/steam-what-it-is-and-why-its-important

・Science Centre Singapore:
https://www.science.edu.sg/stem-inc/about-us/about-stem-inc

カテゴリ:世界のSTEAM教育
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