【イタリア】約300万人の子どもたちが参加したコーディングを学ぶ「programma il futuro」とは

イタリアでは2014年、初等教育からコーディングを導入する「programma il futuro」が始まりました。教育省が促進するプロジェクトはイタリア全土で広がりを見せ、2019年から2020年にかけて約300万人の児童が参加。今後も参加校の増加が期待されています。

プロジェクトは教育省と大学研究機関(MIUR)、国立情報学コンソーシアム(CINI)の連携し、2014年9月から始まりました。目的は「現代社会を理解する科学的知識の基礎を広めること」であり、プログラマーの育成ではなく、情報技術の基礎を学ぶことで論理的思考力を身に付け、課題解決能力を身に付けることに焦点をあてています。当時の教育・大学・研究大臣ステファニア・ジャンニ―ニは「現代はデジタルリテラシーの時代。小学校でのコーディング学習は、社会に積極的に参画するために必要な教育やスキルを与えることを意味します」と述べています。

プロジェクトには基礎コースと発展コースの2種類があり、アメリカの非営利団体Code.orgのカリキュラムに基づいて進められます。

① 基礎編

プログラミング学習サイト「hour of code」が提供する1時間のチュートリアルを実践し、プログラミング言語の基本概念に触れます。操作が直観的で分かりやすく、プログラミングをゲーム感覚で楽しみながら学ぶことができます。

※「hour of code」はCode.orgが運営しており、参加人数は世界180か国で10億人以上。様々なプログラムが提供されており参加者は自身のレベルに応じて学習を進めることができます。

② 発展編

基礎編に続き、学習レベルに応じて8つのコースが設けられています。各コース10~20回程度の一連の演習を通して変数、関数、エラー修正などを学び、コーディングへの理解を深めます。


プログラムを行うための資料や教材、指導ガイドはプログラミングスキルの有無に関わらず全ての教員が教室で使用できるよう設計・翻訳されており、Programma il futuro 公式サイトで公開されています。学校・教員の任意参加ではあるものの、2019-2020年にはイタリアの全児童の3分の1にあたる約300万人がプログラムに登録、全国7000の学校で38,000人の教師が参画しています。

参照:Code. org (https://code.org/)

また、Code.orgは日本語で使用することも可能です。(過去にご紹介した記事はこちらhttps://steam-japan.com/practice/1868/

入門編から応用編まで、さまざまなコースが用意されており、誰でも簡単にプログラミングを始められます。また、各コースを終えると修了書に自分の名前を入力して印刷することもできます。グローバルな無料教材を活用しながら、気軽にプログラミングを学んでみるのもいいかもしれないですね。

参照サイト

「諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究」報告書01 (mext.go.jp)

https://programmailfuturo.it/

https://codeorg.medium.com/why-three-million-italian-kids-love-to-code-7a112c249c12

カテゴリ:世界のSTEAM教育
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