モンテッソーリ教育ってなに?家庭で実践できることは?

モンテッソーリ教育とは、イタリア最初の女性医学博士のマリア・モンテッソーリ博士によって開発された教育法です。この教育の前提は「子どもは自分自身を成長させ、発達させる力を持っている」ということです。今、自分の子どもはどの発達段階にあって、どのようなコミュニケーションを必要としているのか。モンテッソーリ教育は、学びの可能性を年齢で判断するのではなく、一人ひとりの個性に寄り添って模索します。

また、モンテッソーリ教師の堀田はるな先生は、モンテッソーリ教育で育った子どもに共通することとして「多様性を受け入れられる」「柔軟な発想ができる」「問題解決能力が育っている」「穏やかで優しい」ことだと述べています。さまざまな価値観を認められる子どもに育つということから、日本でもモンテッソーリ教育を採用する保育園や幼稚園が多くなっています。

では、子どもたちにとって最適な環境を整えるために、家庭ではどんなことができるのでしょうか。堀田先生は、大きく分けて4つのポイントについて語っています。(一部抜粋)

1.子どもに選択させる

「自分で選択すること」が主体的な子どもに育てる第一歩です。子どもたち自身に選ばせることによって、子どもは自分の決断に責任を持つようになります。

2. ルーティーンで自主性を育てる

いつもと「同じ手順」で「同じこと」を習慣にしましょう。とりわけ2歳から3歳ごろには、「秩序の敏感期」と呼ばれる物事や順序へのこだわりが発生します。この時期こそ、いつもと同じ手順でいつもと同じことをすることが大切になります。

3. 子どもの達成感に寄り添う

子どもたちが何かを達成した時は「やったね」「よくできたね」などと、子どもたちの気持ちにとことん寄り添ってみてください。ご両親の温かいメッセージ受け取った子どもたちの心には、自然と自信が芽生えてきます。

4. ダメなことを伝えるポイントを押さえる

絶対に必要なルールや家庭内でのルールを子どもに守らせるには、2つのポイントがあります。1つ目は、なぜダメなのかという理由を伝えること。2つ目は、親の態度に一貫性があることです。「ダメなものはダメ!」と高圧的になるのではなく、理由を簡潔かつ具体的、そしてポジティブに伝えるように心がけましょう。

実は、STEAM教育とモンテッソーリ教育は共通点が多いのが特徴です。二つの教育モデルは、本質的に子どもたちの創造性や自発性、問題解決能力を養うねらいがあります。そのため、子どもたちは、分野横断型の学びをしながら、自分で思考し、問題解決の手順を考えるという課題が与えられるのです。

今後、STEAM教育が浸透するにつれ、モンテッソーリ教育への意識も高まりそうです。今回紹介したような、ちょっとした意識で実践できるモンテッソーリ教育を、ぜひご家庭でも取り入れてみてください。

<参考文献>

堀田はるな著『子どもの才能を伸ばす最高の方法モンテッソーリ・メソッド「自律した子」の育て方すべて』あさ出版、2018年

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