オーストラリア ナショナルサイエンスウィーク2020開催!

オーストラリアのナショナルサイエンスウィークは、毎年8月に行われる科学と技術の祭典です。例年国中の大学、学校、研究機関や図書館などの文化施設で1000以上のイベントが行われ、子どもから大人まで、科学の専門家もアマチュアも参加します。オーストラリア政府も、補助金プログラムに対して10万ドル以上を提供するなど様々な形で支援しています。

各学校は、学校図書館での展示やクイズイベントといった簡単なものから、学校全体での科学フェアのような大規模のものまで様々な形で参加することができます。校外学習や学校独自の科学フェアなどの取り組みをを支援する補助金の制度もあり、審査を通った学校に対して500ドルまでの補助金が出されます。

形を変えた、今年のナショナルサイエンスウィーク

今年のサイエンスウィークは8月15日から23日の日程で行われます。イベントテーマは、「ディープブルー:未来と私たちの海のためのイノベーション」。来年から始まる国連の「持続可能な開発のための海洋科学の10年」にも連動しています。

ただ、今年は新型コロナの影響で例年通りの形での開催は難しい状況です。そこで祭典はガラリと形を変えています。様々なオンラインイベント・コンテストが開催されたり、自宅やその周りでできる様々な科学アクティビティをまとめたワークシートの公開されるなど、自宅からでも参加できる形になっています。

さらに、主催団体の一つで学校のイベント参加を管理する全豪科学教師協会(ASTA)は、開催が難しい学校イベントに対する補助金の代わりに、「アクティビティカード」を配布することにしました。アクティビティカードは、もともとASTAなどによって数十年前に開発されたもので、SPECTRA(Science Program Exciting Children Research Activities)モデルとして知られています。オーストラリアの教育カリキュラムに沿った内容が扱われており、生徒たちはカードに沿って自分でトピックを選んで、答えを探すために探求をすることになります。大人の手助けが必要なアクティビティもありますが、基本的には生徒自身が主体的に取り組めるように設計されています。

今回のアクティビティカードは今年のサイエンスウィークために制作されたもので、テーマである「ディープブルー」と関連した内容を扱っています。10年生までを4つの年代に分け、それぞれに合わせた内容になっています。例えば、年少の児童向けのカードでは海の生き物の体の構造について学んだり、中高生向けでは、海の動植物がどうやって海流を利用するかを学んだりします。アクティビティカードを一定数完了すると、ASTAから認証が発行されます。学校教育の中に取り入れることが想定されているほか、自宅学習をする親子も使えます。

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(文:佐藤琴音)