【イギリス】キャサリン妃 幼児教育の活動を支援するセンターを設立

イギリス・コーンウォールで6月11日~13日までの3日間開催されたG7サミット。covid19の感染拡大からの復興を重点的に議論が交わされた一方でキャサリン妃とアメリカのファーストレディー、ジル・バイデン夫人は初対面が実現しました。幼児教育に関心のあるキャサリン妃とコミュニティ・カレッジの現役教師を務めるバイデン夫人は、高い学力レベルを誇る現地の小学校「コナ―・ダウンズ・アカデミー」を訪問しました。

 同校は4〜11歳の児童に教育を提供し、すべての児童の潜在能力を発揮できるような環境の創造すると同時に、児童とスタッフの両方のメンタルヘルスと幸福を追求することに力を入れています。花や野菜を植えたり、動物と一緒に仕事をしたりできるユニークなプログラムもあり、キャサリン妃とバイデン夫人は教師へ学習状況をヒアリングしたり、児童が学校で飼育するウサギを世話をする様子を見学したりしました。教育活動に注力していることで知られる両名はその後、イギリス・アメリカ両国の幼児教育の専門家と座談会を開き、幼児期の教育が生涯にいかに作用するのか、適切な支援をどのように提供できるのかを話し合いました。

この訪問から約1週間後、キャサリン妃は夫妻で設立した「ロイヤル・ファウンデーション」の一環として幼児教育センターをスタートました。センターでは今後数年間で次の3点の活動部門に焦点を当て支援していく、としています。

・質の高い研究推進

・民間、行政、ボランティア等分野を問わない新しい解決策に向けた協同

・意識変革、行動促進のためのキャンペーンの展開

立ち上げに合わせ、センターは「Big Change StartsSmall(大きな変革は小さなことから)」と題するレポートを発表しました。ロンドンスクールオブエコノミクスとハーバード大学が共同執筆したこのレポートでは、幼少期に予防措置を講じなかった場合、ケアを必要とする子どもたちの精神的、身体的な問題解決のためにかかる費用は社会全体で約230億ドル(約2兆5000億円)であると推定しました。幼少期における効果的な対策への投資する重要性を訴えています。

公務で社会福祉の現場にいる中で、家庭内暴力や依存症、ホームレスといった最も困難な社会課題のいくつかが幼少期に影響を受けていることに直面したというキャサリン妃は「私たちの最初の5年間は、未来の自身を形作る重要な基盤となります。この時期は、私たちが初めて感情や衝動に向き合い、気遣い、共感し、自分自身や他者との健全な関係を確立することを学ぶ時期であり、この時期の経験や健全な精神的及び肉体的幸福に生涯作用します」と述べています。

<参考文献>

参考記事はこちら

https://centreforearlychildhood.org/report/

https://royalfoundation.com/the-duchess-of-cambridge-and-dr-jill-biden-visit-primary-school-in-cornwall/

https://www.thenationalnews.com/world/europe/duchess-of-cambridge-sets-up-centre-to-focus-on-importance-of-early-years-1.1243701

カテゴリ:世界のSTEAM教育
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