今回は、イギリスで実施されているアントレプレナーシップ教育「Make £5 Grow」についてご紹介します。
Virgin Moneyが金融リテラシーと若者の起業家精神を促進するために「Make £5 Grow」を立ち上げました。このプログラムは導入以来、小学校で実施されており、9歳〜11歳の子どもたち(日本では小学校の高学年)が対象となっています。
ここで配られる本物の5ポンドは寄付ではなく融資のため、子どもたちは自分たちのビジネスの活動で得た利益できちんと返済をする必要があります。得られた利益は、学校のPTAの活動資金として使われたり、慈善団体への寄附として使われたりしています。
このプログラムでは、生徒1人に対して5ポンドの少額融資が提供されます。子どもたちは、その資本金5ポンドを使って、製品やサービスを作り、マーケティングをし、販売します。個人で実施しても、友達と協力してチームで実施をしても構いません。このプログラムを通じて、ビジネスプラン、チームワーク、財務管理、そしてクリエィティビティを実践的に学びます。
実際に、STEAM JAPAN編集部メンバーの子どもも、イギリスの学校でこの「Make £5 Grow」の活動に参加をしたので、実際の様子を伺いました。
A:シフォンケーキが大好きな子の為、シフォンケーキを作って売ることに自分で決めていました。スーパーに行って材料を確認して「卵は結構高いな」「牛乳を入れると原価が上がるから水にしよう」と、コスト計算をしていたり「店の名前を何にするか」「試食をおいて味を知ってもらう分も用意したい」など自分なりに考えていたり、また何よりも美味しいシフォンケーキを作れるようになりたいと、シフォンケーキを売ると決めてから、10日間毎日自発的に練習していたことも印象的でした。
学校全体の中で、最も多く売り上げた子は5ポンドを80ポンドに増やしたという子がイノベーション賞としてトロフィーをもらっていました。その子は木を使用して作品を作っていたそうです。
アイデア賞ではバイクの洗浄サービスなどもありました。皆、自分の得意なことや好きなことを企画し、自分なりのビジネスを実施していてとても良い経験になったと感じています。
「Make £5 Grow」から得られた利益を社会的な活動と繋げていくことによって、コミュニティや慈善活動の重要性にも気がつくことになります。 アントレプレナーシップ教育も実践型で積み重ねているイギリスの事例のほんの一部をご紹介しました。
実践的な学びによって生まれる学びは、大人も子どももワクワクしますね。
Make 5 Grow 公式サイト:https://make-5-grow.co.uk/