今年度で三度目となる宇宙と科学の高校生シンポジウム(SSHS)が、2024年1月27日(土)に大分県教育センターで開催されました。このイベントは、先進的な科学技術教育やSTEAM教育を通じて、将来国際的に活躍できる科学技術人材の育成を目指しています。
当日は、大分県内の高校から約120名の学生が参加し、STEAM教育やグローバルに関連する講演や宇宙、生成AI、データサイエンスに関するワークショップが行われました。以下、その様子を一部紹介します。
大分の宇宙港の今後の展望は、全国でも非常に珍しい取り組みが計画されています。「どんな計画なのか」「大分空港と他の県の宇宙港とで何が違うのか」をテーマに、大分の未来の展望を考えながらシエラ・スペースの考える宇宙に関してご講演いただきました。
新たな地域経済構造の中心となる大分宇宙港の活用や、大分の未来についてご講演いただきました。
また、2024年にはシエラ・スペースのドリームチェイサーが宇宙に飛び立ちます。
その積載物は宇宙空間での微小重力実験で、地球上とは異なるデータを取得する貴重な機会を提供します。実際にどのような環境なのか、微小重力環境の映像なども使用してご説明いただきました。微小重力実験から、世界を変える新たな発見を生み出すようなアイデアを考えるワークショップを実施しました。
現在行われている科学的な実験をベースに考えたり、自由な発想で考えたり、さまざまなアイデアが生まれました。
【実際に出たアイデア】
昨年の7月から約半年間、大分県内の高校1年生と2年生が学校や学年の枠を超えて集まり、実社会につながる課題研究に取り組んだ成果発表を行いました。
選抜された5つのチームは、高校生ならではの「部活動」をテーマにしたり、大分の地域産のものを使った化粧品の開発、健康寿命の問題に切り込んだテーマなど、それぞれユニークなテーマを掲げ、探究を行いました。関連企業や大学などにも高校生たちが自ら取材や調査を行い、プロトタイプの作成を行ったチームもありました。
堂々とした発表や行動する姿勢に触発されたという感想が多数寄せられました。
今回は、「生成AI」「データサイエンス」「宇宙」「ロケット」の4つのテーマを準備し、学生の事前アンケートをとり、テーマごとグループに分かれて、STEAM教育を体験するワークショップです。
ワークショップA:生成AI × STEAM(担当:橋本大也先生)
ワークショップB:データサイエンス × STEAM(担当:山下雅代先生)
ワークショップC:宇宙の食生活 × STEAM(担当:浅野高光先生)
ワークショップD:ロケット実験 × STEAM(担当:藪亀尋子先生(国東高校教諭))
午前発表いただいた5チームについて、8名の審査員に評価をしていただき、各賞(最優秀賞、優秀賞、SSHS賞、審査員賞、アイデア賞)ついて表彰を行い、審査員からフィードバックをいただきました。
また、表彰に先立ち、昨年と一昨年にSTEAM課題研究特別講座で活動された高校生2人の活動報告をしていただきました。2人共、高校3年生として受験活動を終えたばかりでしたが、STEAMでの活動を通して、自身の進路選択に大きな影響を受けたことや、大学進学につながった経験談を語ってもらいました。自身の可能性を信じて行動することの重要性を強調されていました。
・チームの発表では、日本がもつ課題について探求している様子が、とても楽しそうだなと思ったし、宇宙食についても驚きがたくさんあってとても興味深いなと思った。
・宇宙のことを中心に、宇宙の問題を考えることで地球上の問題解決にも繋がるのだと学べた。
・同じ年代の生徒がこれまでしてきた探求の発表の完成度が素晴らしくて驚きました。
・STEAM教育の発表を聞き自分と同年代の人がここまで現実的で更に深い取り組みをしているのがこころに残ったから
・日頃できない体験が出来て自分のためになったしすごい楽しかったから
自分たちの住む大分県の現状と今後の取り組みに関する話を聞けて、宇宙が身近に感じたという意見や、普段話を聞くことができない方から話を聞けたり学校では得られない体験や学びをこのイベントで体験できたという前向きな感想が多くありました。