[アメリカ]「五感をフル活用して楽しむ科学博物館!」現地レポート

アメリカのボストンにある「Museum of Science」は、世界最大の科学センターの1つであるとされており、ニューイングランドで最も訪問者が多い文化施設です。
この科学博物館は、「科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・数学(Mathematics)に命を吹き込む場所である。」と言われています。これらに加えてアート(Arts)の展示も見ることができました。幅広い分野の展示を、五感で体感できる施設となっています。
今回は、実際にMuseum of Science を訪れた中で、五感を使って体験できたユニークな展示内容をレポートします!

まず1つ目は、実際に動物を観察できる展示を紹介します。

この科学博物館は動物園水族館協会によって認定されており、“Live Animal Center”というコーナーで、50種以上100頭以上の動物を飼育しています。様々な動物を観察したり、スタッフが動物の世話をしている様子を見たりすることができます。

これは実際に見た、絶滅危惧種であるタマリンモンキーの写真です!小さなサルが木を登ったりぶら下がったりする様子を間近で見ることができ、まるで動物園にいるような感覚になりました。科学博物館にいながらも、子どもたちが生命の尊さを自然と感じられるような展示であると感じました。

2つ目は、野生生物が住む環境を体感できる展示を紹介します。

この展示は、ニューイングランドに生息していた野生動物たちの環境を、絵と動物の模型で表現しています。そして、ただその様子を見るだけでなく、実際に角やくちばしの模型に触れたり、その動物が暮らしていた場所の匂いを嗅いだりすることもできました。子どもたちが視覚以外の感覚も使ってこの展示を体験することで、動物の世界に迷い込んだかのように感じられる仕組みとなっていると思いました。

3つ目は、人間の体の仕組みについて学べる展示です。

この写真の展示は、歩いてみて、その結果からどのくらい土踏まずが高いのかを測ることができるといったものでした。4,5歩ほど歩くだけで測定され、スクリーンに自分の足跡と共に結果が示されました。

これは一例ですが、他にもレントゲン写真から骨の仕組みについて学んだり、妊娠の様子を模型で見たり、脳の働きを体感したりできるものが数多くありました。子どもたちにとって、様々な活動の中で楽しみながら、自分たちの体の仕組みについて知ることができるのではないかと感じました。

4つ目は、この科学博物館のシンボルでもあるティラノサウルスの模型を中心とした恐竜展示です。模型の他にも、恐竜の骨のパズルや、化石かモデルかを触って比べられるコーナーなど様々な展示がありました。

ティラノサウルスの足跡の大きさと自分の手の大きさを比べてみて、大きさの違いにとても驚きました。また、等身大の模型のもとを歩くことで、まるで恐竜が生きていた時代を徘徊しているかのように感じられました。

Museum of Science を訪ねて、ただ見るだけでなく、人間の感覚をこんなにも使って体感し、学ぶことの楽しさを強く実感しました。普段見えないものや写真だけでしか見ないようなものを実際に目にしたり、自分の体を使ってアクティビティに参加したりといった体験ができることがとても魅力的でした。

ただ写真や映像を“見る”だけでは想像で終わってしまうことも、“聞く” “嗅ぐ” “触れる”などの感覚を使って感じ取るといった体験を通して、よりリアリティを感じられたり、興味をもって展示にふれたりすることができるようになると感じました。そして、そのような経験から「これってどうしてだろう?」「○○はどうなっているのだろう?」といった新しい疑問がうまれ、自ら考えることのスタート地点に立つことができるのでないかと思いました。このような好奇心を刺激するきっかけとなる場所づくりが、どんどんと世界各地で広がっていっています。 STEAM JAPANでは、世界各国の編集部メンバーの情報をもとにまた今後も現地レポートを続けていきたいと思います!