STEAM FOR INNOVATION~「STEAM教育の現状とその可能性 」~参加レポート

2021.03.08│STEAMレポート

STEAM教育とその現状を考えるシンポジウム「STEAM FOR INNOVATION 」(沖縄科学技術大学院大学(OIST)・OIST Foundation主催)が開催されました。本会は全3回のうち、2回目となります。
「予測不可能な未来を生き抜く力」を見つける次世代教育として、近年さらに注目が集まるSTEAM教育について、その道のエキスパートたちが現状や課題、今後の可能性などについて熱く語り合いました。当日の参加レポートをお伝えします!

【主催】
OIST (Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University) and OIST Foundation

【登壇者】
井上 祐巳梨氏 / STEAM JAPAN 編集長
鵜飼 佑氏 / 未踏ジュニア 統括
菅 大介氏 / 株式会社チェリオコーポレーション 代表取締役社長
高林 美咲氏 / OIST 副学部長

【モデレーター】
下地邦拓氏/OIST 戦略リレーションシップスペシャリスト

OISTの役割とその活動について

沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、科学分野の5年一貫制博士課程を備えた大学院大学です。同大副学部長の高林氏は、多くの大学機関が公的資金によって財政支援を受けていると説明した上で「大学の教育研究活動は、社会の個人個人の利益に繋がらなければいけない」と強調します。また、将来学生たちがSTEAMを含む多様な分野で活躍できるよう「アウトリーチ活動を推し進め、理系の女子を増やしたい」と熱弁しました。

一方、OISTの認知度の低さについて「学内の公用語も英語という点から、少し壁を感じられているかもしれない。まだまだ活用してもらうための機会が提供できていない」とし「STEAM教育を学んだ子どもたちに、ぜひOISTにきてほしい」と力強く語りました。

STEAM教育とは何か?

STEAM教育メディア『STEAM JAPAN』編集長の井上は「グローバルな社会課題を創造的に解決する人材が求められている」と話した上で、次世代の教育の一つとして注目されるSTEAM教育について説明しました。

また、GIGAスクール構想が進む中で「重要なことは1人1台PCを持つことではなく、PCを持った上で何をするか?自主的な学びにどのように繋げていくかが問われている」と指摘。ICTを活用に関して「子どもたちが実社会の課題解決を、どのように取り組んでいくかが重要だと思う。これを進めるためには産官学の協力は必須」と強調しました。

教育の現状

一般社団法人未踏ジュニアの代表を勤める鵜飼氏は、教育の課題について①大人が授業のテーマや取り組む課題を選んでしまうこと②親や周囲の大人の理解の地方差/性別格差と指摘します。また「受験には関係ない」「女子だからやらなくて良い」といった周囲の大人の理解が得られない状況がある子どもについて「子どもたちの可能性を狭めないでほしい」と語りました。

さらに鵜飼氏は「自分がやりたいことや作りたいものが継続できないという環境の子どもたちが多いと感じる」と述べ「社会全体で様々な課題解決に向けて、大人たちが応援していることを伝え、子どもたちを後押ししていきたい」と力強く話しました。

教育現場の課題

現状の教育現場には、地域やバックグラウンド、男女による教育機会の差や周囲の大人の理解の差があります。理系の授業や進学を進めていく重要性について、高林氏とチェリオコーポレーション 代表取締役社長の菅氏がお話しされました。

菅氏は「自己肯定感をあげられるようなこと、何か背中を押してあげられることが重要」と強調し「現代の若者は、本当に様々な出会いがあり、世界とも繋がっている。一人ひとりとのコミュニケーションを大切にしてほしい。今は、自分になりたい姿を選ぶことのできる時代。各自の選択を尊重し、それを認めあえるコミュニティの構築も同時に必要」と述べました。菅氏が立ち上げから関わってきた、STEAM教育を実践するプログラムを女子中高生向けに展開しているスカイラボ。今後は、このスカイラボと一緒に女子中高生向けのSTEAM教育を学者の方々とカリキュラムベースで開発も進めていくそうです。
高林氏は「自分の未来や理想をイメージすること。自分自身を信じることのできる機会を逃さないで欲しい」と熱く語りました。

STEAMツールがあることを知り、それを用いて、まずやってみる。今までのように知識を教える→教わる側の関係から、子どもと大人が共に学びあっていく形へ変わっていくことが必要です。
GIGAスクール構想が進む中で、重要なことは1人1台PCを持つだけではなく、PCを利用して何をするのか。自主的な学びに、どのようにつなげていくかが問われています。

子どもたちの周りに、一人でも「いいね!」と言ってあげられる大人がいることで、子どもの背中を押し、新たな学びの世界へと踏み込むことができると感じました。私たちも、STEAM教育を通し、様々な選択肢の存在を伝えていかなければいけないと思いました。

参考リンク

STEAM教育って?

実践!STEAM

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