2023.01.27│ニュース

締切間近!中高生による社会課題解決 [STEAM JAPAN AWARD 2022-2023]

「STEAMを実践している人にこそ、しっかりとスポットライトを当てたい」

この想いに突き動かされて、STEAM JAPAN AWARDを開催して今回で第3回となります。3回目STEAM JAPAN AWARD 2022 -2023 (後援:文部科学省)の応募締切が1月31日と迫ってきました。

そこで、今回は第1回と第2回開催のSJAのGold賞を受賞された2組に、受賞後の特別インタビューをさせていただいたその模様を一部紹介したいと思います。

課題設定に決めたきっかけや、活動の中で何を目的にしてたのか、同世代の学生へのメッセージなど伺いました。インタビュー全貌やSTEAM JAPAN AWARD (SJA)に関する記事は下記にまとめて掲載してますので、どうぞご覧ください♫
※本記事は、過去の取材記事の抜粋版になります。

Gold賞受賞者の紹介

STEAM JAPAN AWARD 2021   Gold賞受賞は、東京学芸大学附属国際中等教育学校3年生(※受賞当時・その後ハーバード大学への進学が決定)矢座孟之進さんの「ドキュメンタリー作品による原子力発電に対する意識改革」です。

STEAM JAPAN AWARD 2022 Gold賞受賞は、東京都立富士高等学校3年生(*受賞当時)キッスイさんの「FOODEMON」です。

このテーマを課題に取り上げたきっかけを教えてください

矢座さん:

僕たちの学校は中高一貫校なのですが、中学3年生の時に、原子力発電についての授業がありました。僕たちの学校の授業では、地球温暖化や中絶の問題といった様々な社会課題についてディスカッ ションすることが多く、原発もその一つでした。今まで様々な議題を取りあげて、意見交換をしてきました が、原発については、賛成・反対・中立のそれぞれの立場からうまくコミュニケーション出来ない感覚があ りました。何か納得できない、腑に落ちない、自分の中で「気持ち悪さ」が残り、それは羽仁くんと土屋くんも同じでした。 そこで原発の事をもっと詳しく学び、この議題について多くの人に関心を持ってもらう必要があると考え ました。そして原発の反対派・賛成派・中立派の橋渡しが何かできないかと考え、研究を始めました。当初は3人とも考えが異なっていて、偏りのないメンバーで研究を始めました。

キッスイさん:

私は社会問題の中でも特に「もったいない!」と感じる「フードロス問題」を取り上げました。私の母はスーパーで働いているのだが、消費期限切れの商品は全て捨てることになるという衝撃の事実を聞いた時私はこの問題を解決したいと思いました。それから調べてみると、スーパーや飲食店などでの事業系フードロスと同じくらい、家庭系フードロスの量は多く、より私たち1人1人が問題意識を持つべきことだと思い。その中で「フードドライブ」や「リサイクル資料」などフードロスを減らすための取り組みとその認知度の低さを知りました。「フードロス問題」を食材廃棄から解決まで疑似体験し視覚的に、触感的に伝わるツールを作る事が私に出来る事だと思いました。

課題設定からその後どのように進めましたか?苦労した点や工夫した点はありますか?

矢座さん:

原発やエネルギー問題に対する関心や意識向上をいかに図るかを研究課題として考えたのは、中学3 年生の時です。高校1年時に、意識向上を測るための方法として、ドキュメンタリー作品の映像製作をし、 2年時に、学校や映画祭などで上映してアンケートを取り、作品視聴前後での意識の変化を分析しました。  
分析の結果、8割の人々が原発に関心を抱き、関心度も高まり、その多くが、新しい知識や視点を得られたことがわかりました。また、原発に対する意見も変わる傾向があることがわかりました。論文もこの頃に書きました。

反対派や賛成派の意見だけを取り上げてしまうような偏りが出ないように注意しました。 映像作品を見た人には、考えたり話し合うきっかけを作って欲しい、というのが一番なので、自分達の価 値観や思いが強く入り過ぎないようにするのが難しいところでした。どういう順番で映像を組み立てるか。どのシーンにどのくらい時間を取るとかなど、3人で話し合いながら制作していきました。

キッスイさん:

最も大変だった点はゲームのルール設計です。「フードロス問題」の解決策としてのゲームを創る以上、食材の購入から廃棄、解決までをより忠実に体験できるルールにしたいという思いがありました。一方で、最も重要な「楽しさ」や「分かりやすさ」、ゲームとしての「進行のスムーズさ」「規模」などを考慮する必要もあり、テストプレイと修正を繰り返して老若男女が楽しく学べるようなルールを目指しました。

次回に向けた意気込み,もしくはこれからアワードに応募する学生に一言お願いします。

矢座さん:

STEAM JAPAN AWARDは 応募条件が厳しくなく、そこが魅力の一つだと思います。サイエンスやテクノロジーだけでなく、手作りのアナログのようなもの・アプリなど製作も参加できるところがとても魅力的です。幅広い分野の学生が応募しやすいと思います。 研究活動に関しては、怖さも感じるかもしれないけど、高校生の私たち・若者がそういう課題に目を向け ていること自体が喜ばれることもあります。思っている以上にハードルは高くないと思います。積極的に応募してほしいです。

キッスイさん:

自分の「好き」を原動力にして挑戦してほしいです。僕はデザインやモノづくりが「好き」でこれまで取り組ませてもらってきたからこそ、何度も失敗もありましたが自分の未来に対して目標や期待で一杯です。
幅広い分野から作品を受け入れるSTEAM JAPAN AWARDに自分の「好き」を持って挑戦できれば、結果はどうであれ必ずこの経験が未来を切り開く第1歩になると思います。

◆事務局より
国の取り組みに「STEAM」という言葉が据えられて、教育業界のみならず、さまざまな業界でも注目を集めてきています。私たちSTEAM JAPANは、「実践すること」「創り出すこと」がSTEAM教育に欠かせない要素だと考えています。
今までも、多くの中高生が課題解決に向けて取り組んでいる活動内容やアイデアを紹介してきましたが、まだまだ全国には素晴らしいアイデアや、活動があると思います。そのように自ら考え行動している人にスポットを当てて、表彰する「STEAM JAPAN AWARD」。前回に引き続き、アイデア賞を加えて4部門で募集しています。簡単な入力フォームで、ご応募可能です!
皆様からのご応募を心よりお待ちしております♫

参考記事

STEAM JAPAN AWARD 2022-2023:https://steam-japan.com/award/
SJAを企画したワケ(前編):https://steam-japan.com/report/4689/
SJAを企画したワケ(後編):https://steam-japan.com/report/4698/
SJA2020 Gold 賞受賞者インタビュー:https://steam-japan.com/report/5860/
SJA2021 Gold 賞受賞者インタビュー:https://steam-japan.com/report/6987/
SJA2021 表彰式レポート:https://steam-japan.com/event/6742/