『STEAM JAPAN AWARD 2021 受賞者インタビュー Vol.3』

2022.05.11│STEAMレポート

中高生が自ら課題を設定し、解決に向けた取り組みを表彰する「STEAM JAPAN AWARD 」。メディアアーティストの落合陽一氏をはじめ、次世代教育に関わる6名の審査員たちが6組の受賞者を決定しました。特別審査員として参加くださったスポンサー企業のMakeblock賞と、Panasonic賞に選ばれた2チームのインタビューをご紹介します。2チームの「課題設定をどのように考えたのか」「同世代へのメッセージ」など、お話を伺いました。

▶︎STEAM JAPAN AWARD 2021 WEB サイト

STEAM JAPAN AWARD 2021 Makeblock賞

チーム名:Pal ( 大分県立佐伯鶴城高等学校・高校3年(受賞当時)) 
作品名:防災ゲームで“知る”防災

防災意識の向上を課題にあげ、小学生を対象とした防災教育ゲームの開発と取り組み。実験・考察・検証を行った作品です。


STEAM JAPAN AWARD 2021 Panasonic賞

チーム名:高々1619@物理部 ( 群馬県立高崎高等学校・高校1年(受賞当時)
作品名:スマート盲導杖「道しる兵衛」 〜AI搭載白杖による視覚障害者歩行支援〜

視覚障害者の歩行の危険性や事故を焦点にして、センサーやカメラ、カメラ画像を認識するAIを搭載し、 音声や振動で知らせる盲導杖の開発をした作品です。

課題を設定した理由・きっかけ・経緯は?

Pal :
私たちの住む大分県佐伯市は、南海トラフ地震発生後に高い津波が来ると予測されている。突発的に発生する災害に対応するには柔軟さが求められるが、現状は避難を呼びかけても行動に起こさない人が多く見受けられる。突然の地震や津波に対応するために人々の防災意識を高めることが私たちの住む地域における課題だと考えた。特に東日本大震災における“釜石の奇跡”を参考にし、対象を小学生に絞った。小学生の防災意識が向上することによって周りの大人たちも防災意識が向上すると考えている。

高々1619@物理部:
視覚障害者の方々のための支援として音響式信号や駅のホームドアなどが挙げられるが、僕が住んでいる高崎市では、少しでも中心街から離れるとそれらのものが見られなくなってしまう。例えば、中心街からほど近い「南高崎駅」はホームドアがないどころか無人駅である。当然、その周辺には音響式信号もない。やはり社会的システムとしての支援は難しく、視覚障害者本人が能動的に危険を回避できるような何かが必要だ。盲導犬という手段もあるが、コスト面で課題があり、視覚障害者38万人のうち、ユーザー数はわずか1024人というデータもある。そこで盲導犬の目のかわりとなる機能を白杖に持たせられないかと考えた。

作品を作るに当たって、工夫を凝らしたり、重点を置いた点は、どこでしたか?

Pal :
防災という命に関わることなので、間違った知識を伝えることがないように、子どもたちには「正しい」防災知識を手に入れてもらうことを意識した。また、防災に興味を持ってもらうために楽しめるようなゲームにするということや、遊んでいて飽きないような色使いをすることを意識した。

高々1619@物理部 :
重点を置いたのは「低コストでかつ白杖一本ですべての 機能を実装する」ことです。現在でも、例えば駅のホームにタグを埋め込んでそれを検知し、線路の転落防止などの機能を果たす、という電子白杖の開発は行われています。しかしながら、そのような環境整備が中々進まないのが現実です。そのため、一切の環境整備を必要としない視覚障害者保護のシステムが必要だと感じました。 そこで、画像認識 AI を使い“横断歩道や線路の「見た目」そのものを検知する”という手法を考えました。

これから生み出していきたいものや、課題と捉えている事はありますか?興味・関心のある分野は?

Pal:
今回の防災ゲームでは地震・津波を意識したものを作成したが、災害はこれ以外にも大雨・洪水、火山の噴火などたくさんあるため、それらに関連した防災ゲームを作っていきたいと思う。

高々1619@物理部 :
まずは何よりもこの「みちしる兵衛」を改良していくことです。現在の「みちしる兵衛」を元に、より安定性や精度などを高めた改良版を作成するとともに、企業との提携や起業など、社会実装に向けてどのような手段が必要なのかを検討していきたいと思います。

次回に向けた意気込み、あるいは、これからアワードに応募する学生に、一言メッセージをお願いします

Pal :
奇想天外なアイデアでも研究をすすめていくと面白いものが見えることがあります。研究をしているときには苦労が多く大変だと思うけれど、終わったときには達成感を感じることができます。ぜひ頑張ってください。

高々1619@物理部 :
今回の作品は初めからSTEAMのような多分野横断的な考え方で作成したわけでなく、作っていくうちに数学や物理、電気工学、プログラミングなどの全く知らない分野 の知識が必要となり、その度に調べたり人に聞いたりしてきたわけなので、分野や知っている範囲の物事に囚われずに自由な発想を持ち、何か新しいものを作りたいです。

▶︎GOLD賞 受賞者インタビューはコチラ

▶︎SILVER賞、 BRONZE賞、 IDEA賞 受賞者インタビューはコチラ